アメリカを襲った史上最悪の伝染病 -

「伝染病」というと迷信や伝承を元に病気の治療を行っていた古い時代を連想することだろう。そのイメージは間違ってはいないものの、アメリカをはじめとして世界を襲った致死率の高い伝染病が現代でも発生し根絶し切れていないことを忘れているようだ。しかも新型コロナウイルス感染症の世界的流行は含まずにの話である。

ギャラリーをチェックしてアメリカを襲った史上最悪の伝染病を振り返ってみよう。続きをクリック。

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ニューイングランド：天然痘（1633年-1634年) -

1600年代にヨーロッパからやって来た入植者たちによって北米に持ち込まれた天然痘によりネイティブ・アメリカンの人口の70％以上が犠牲となった。

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ニューイングランド：天然痘（1633年-1634年) -

1721年には5,889人のボストン市民が感染し844人が死亡した。

1770年にエドワード・ジェンナーが牛痘からワクチンを開発した。

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ニューイングランド：天然痘（1633年-1634年) -

アメリカで最後に天然痘が確認されたのは1949年であることから現在は同国では根絶されたとみなされている。

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フィラデルフィア：黄熱（1793年) -

その昔アメリカの首都であり最も利用者の多い港であったフィラデルフィアは街に出入りする人々が持ち込むウイルスの数も多かった。これはとりわけ蒸し暑かった1793年の夏に発生した。自国の黄熱の流行から逃げて来たカリブ諸国からの難民がフィラデルフィアの港に押し寄せたのだ。

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フィラデルフィア：黄熱（1793年) -

この伝染病は皮膚が黄色くなり激しい嘔吐をもたらすものである。5,000人が亡くなり1万7,000人が市外へと避難する事態となった。

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フィラデルフィア：黄熱（1793年) -

マックス・タイラーにより1951年にワクチンが開発された。黄熱の治療方法はないもののワクチンの効果は生涯持続するため、生後9ヶ月以上で感染の危険性が高い地域に居住または旅行する場合は特に接種が推奨されている。

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ニューヨーク市：コレラ（1832年-1866年) -

この期間にニューヨークを中心としたアメリカでは小腸の感染症であるコレラの大流行が3度も発生した。

期間内に毎日2～6人のアメリカ国民がコレラで死亡したと考えられている。

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ニューヨーク市：コレラ（1832年-1866年) -

このパンデミックはインドで始まり貿易経路を介して一気に世界中に広まった。

破滅的な大流行がどうやって終息したのかは未だに解明されていないが、最後にアメリカで感染者が確認されたのは1911年のことである。

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ニューヨーク市：コレラ（1832年-1866年) -

アフリカ、ハイチ、東南アジア、メキシコ中部を中心としてコレラによって亡くなる人は現在でも世界中で毎年13万人程度もいる。コレラを予防するためにはこまめに石鹸と水で手を洗い、汚れた水を飲まないことが重要である。

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ニューイングランド：猩紅熱（1858年) -

この細菌感染症は溶連菌感染症の後に生じる場合が多いため小児間で蔓延することが一般的である。ニューイングランドでも感染者の95％が子供であった。

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ニューイングランド：猩紅熱（1858年) -

こちらも終息した詳しい経緯については明らかになっていないが、公衆衛生と衛生状態の改善が背景にあると推測されている。

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ニューヨーク：「チフスのメアリー」（1906年-1907年) -

同州にて過去最悪の腸チフス大流行が発生した。ニューヨークでのエピデミックはチフスのメアリーとして有名である。屋敷や病院で料理人として働いていたメアリー・マローンという女性が無症状の保菌者としてウイルスを蔓延させたことが確認されたためである。

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ニューヨーク：「チフスのメアリー」（1906年-1907年) -

メアリー・マローンは保健当局による2度に渡った30年近くの隔離の後に亡くなった。

その年に腸チフスで亡くなった死者数は1万人を超えた。

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ニューヨーク：「チフスのメアリー」（1906年-1907年) -

1896年にアルムロート・エドワード・ライトが腸チフスに有効な最初のワクチンを開発した。

アメリカにおける腸チフスは極めて少ない。年間の推定感染者数は5,700人である。

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アメリカ合衆国：「スペインかぜ」（1918年) -

「スペインかぜ」とはいうものの実は現代でいうインフルエンザである。同年には推定67万5,000人のアメリカ国民が命を落とした。

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アメリカ合衆国：「スペインかぜ」（1918年) -

インフルエンザは世界中で毎年のように流行するが1918年と1957年にはとりわけ猛威を振るった。1957年の流行は「アジアかぜ」とも呼ばれアメリカでは約7万人が亡くなった。

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アメリカ合衆国：ジフテリア（1921年-1925年) -

感染がピークを迎えた1921年には20万6,000人以上がジフテリアにかかり死者数は15,520人にものぼった。

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アメリカ合衆国：ジフテリア（1921年-1925年) -

1920年代半ばにこの細菌性の感染症に有効なワクチンが認可されてからは感染率は激減した。現在では80％以上の子供が予防ワクチンの接種を受けている。

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アメリカ合衆国：ポリオ（1916年-1955年) -

感染の流行は1952年にピークに達し感染者5万7,628人の内3,145人が死亡する事態となった。

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アメリカ合衆国：ポリオ（1916年-1955年) -

神経系を蝕み麻痺を引き起こすウイルス性感染症に対するワクチンは1955年にジョナス・ソークにより開発した。ワクチンの登場から7年後には患者数は910人まで減少し、1979年までにはポリオはアメリカから姿を消した。

しかし2022年に入ってからはワクチン接種率の低下により再びポリオが蔓延している。専門家の間では多くの人がワクチン接種を受けることがポリオに対する最大の対策であるという意見で一致しており、アメリカではすでにキャンペーンが始められている。

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アメリカ合衆国：第2次麻疹流行（1981年-1991年) -

空気感染するウイルス性感染症であり、流行した時期には年間2,000人～1万人の犠牲者が出ていた。

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アメリカ合衆国：第2次麻疹流行（1981年-1991年) -

ワクチン接種率の低さにより子供を中心に流行した。1989年以降の医療機関では1962年に開発されたワクチンの2回目の接種をすすめるようになった。

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アメリカ合衆国：第2次麻疹流行（1981年-1991年) -

現在のアメリカの感染者数は例年1,000人未満となっている。

しかし2014年と2015年には同国で麻疹が大流行した。

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ミルウォーキー：クリプトスポリジウム（1993年) -

同州にある2つの浄水場のうち1つがこの寄生虫に汚染された結果40万3,000人が罹患し100人が死亡した。アメリカ史上最悪の水を媒介とした大規模感染となってしまった。

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ミルウォーキー：クリプトスポリジウム（1993年) -

水のろ過システムの改善によって治まったものの、アメリカでは現在でも毎年75万人近くがクリプトスポリジウム症にかかっている。

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アメリカ合衆国：HIV及びエイズ（1981年-2005年) -

この病気は1980年代初期には珍しい肺の感染症だと考えられていた。エイズはHIVウイルスに感染したことにより発症する病気である。アメリカにおける25歳～44歳の死因の第6位はエイズである。

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アメリカ合衆国：HIV及びエイズ（1981年-2005年) -

アメリカには約120万人のHIV陽性者がいる。1990年代以降の同国では約63万6,000人がエイズで亡くなっており、2010年だけでも1万5,529人が亡くなっている。

しかしながら診断数は2005年以降19％減少しているという状況である。

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アメリカ合衆国：HIV及びエイズ（1981年-2005年) -

エイズの治療法は確立されていないものの、PEP（曝露後予防）という緊急薬が有効であり曝露後72時間以内に服用すれば発症のリスクを抑えることができる。

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アメリカ合衆国：豚インフルエンザ（2009年) -

H1N1亜型インフルエンザは通称豚インフルエンザとして知られており、アメリカでは4月～10月の間に約4,000人が命を落とした。

合計すると2,200万人のアメリカ国民が同ウイルスに感染し9万8,000人が入院治療を余儀なくされた。

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カリフォルニア：百日咳（2010年、2014年) -

非常に強い感染力を持つこの病気はアメリカに蔓延している。予防接種を受けられる年齢に達していない乳児の致死率が最も高い。

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カリフォルニア：百日咳（2010年、2014年) -

2010年には百日咳により10人の乳児が死亡した。予防効果を高めるため妊娠第3期の妊婦に予防接種を受けるよう医師は推奨している。

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