蟻が教えてくれる伝染病についての教訓 -

蟻は世界の頂点に君臨しているとも言える。もちろん言葉通りではないにしても蟻は地球の陸上動物における生物量のかなりの割合を占める。蟻は人間と同じく社会的動物である。大規模なコロニーや狭く閉鎖された空間で暮らしているのだ。ではもし病原体が蟻のコロニーに持ち込まれたらどうなるのだろうか？なんと蟻は病気の予防と対策に長けているようだ。人間でも蟻から学べることがあるかも知れない。

続くギャラリーを見て蟻が教えてくれる伝染病についての教訓を学んでみよう。

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蟻の支配下 -

蟻は全ての陸上動物における生物量の15～20％を占めると言われている。熱帯地域においては25％以上にも上る！

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病気の予防 -

大規模なコロニーを形成し狭い空間で生活するのが蟻だ。それでいて伝染病の予防に関してはかなり成功している。

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病気の予防 -

そのため自然界で病気が蔓延したコロニーが発見されることは滅多にない。

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ソーシャルディスタンス -

2018年の研究により病原菌が入り込んだガーデン・アント（庭の蟻）のコロニーは行動に違いが出ることが判明した。

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ソーシャルディスタンス -

同研究では巣の中で働く働き蟻と巣の外で餌を採る働き蟻の2つのグループの変化について観察した。

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ソーシャルディスタンス -

研究者たちにより11のコロニーが感染性の胞子にさらされた。全てのコロニーで蟻は他のグループとの交流を減らし近隣同士で活動する傾向が見られた。

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ソーシャルディスタンス -

グループ間の交流が希薄だったためになんと感染性の胞子が蔓延することはなかった。

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ソーシャルディスタンス -

ところがそれだけではないのだ！蟻たちはコロニー内で「重要な」個体である女王蟻や若い働き蟻の保護まで行っていた。

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ソーシャルディスタンス -

このような行動により胞子に接触する機会が減り結果として生存率が高まった。

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ソーシャルディスタンス -

またより多くの蟻が微量の胞子に接することにより免疫反応の高まりも認められた。

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少量ずつの感染が集団免疫へとつながる -

これは人間のワクチンに対する反応と似ている。

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清掃と手入れ -

Journal of Evolutionary Biology誌に掲載された研究で蟻同士がお互いを清掃および消毒する方法が説明された。

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清掃と手入れ -

オーストリアの研究者たちによって発表された別の研究でも、なんと蟻は他の個体の感染状況に応じて衛生管理を調節しているというのだ。

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消毒 -

研究チームは蟻が巣に入る前に手入れをすることを発見した。

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消毒 -

また蟻はお互いの体から感染の原因となり得る物質を取り除くために手入れし合う。英語で「アログルーミング」と呼ばれる。

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消毒 -

複数の病原体を浴びた巣の仲間にこの行動を取った蟻は自らの抗菌毒の量を増やすと同時に他の個体との接触を減らした。

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治療法 -

毒腺から蟻酸という毒を出す蟻の種類は多い。

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治療法 -

同研究により体内に低濃度の胞子を残した蟻は高い免疫力を得ることが判明した。

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自然療法 -

また山蟻は木の樹脂を集め子供（卵、幼虫、蛹など）の近くに置くという。樹脂には抗菌作用があるためだと考えられている。

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組み合わせ -

また巣の中で蟻酸と樹脂を混ぜ合わせてもっと強力な抗真菌剤を生成する蟻も存在するという研究結果まである。

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防御 -

ISTオーストリアの研究者たちは外来種のガーデン・アントが自分たちの住みかに蟻酸を撒いていることを発見した。

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防御 -

同じ研究では巣の中に置かれた繭に包まれた蛹（全ての蟻が繭を作るわけではない点に注意）は通常なら有毒であるはずの同物質に対する耐性があることが判明した。

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防御 -

研究者であるシルヴィア・クリーマーは「人間が危険な洗剤を使う時には手袋で防護しますよね」と言う。「繭は保護手袋と同じような機能を持っているのです」と続けた。

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ただし全ての手法が人間に当てはまる訳ではない -

蟻の手段はさらに極端な場合もある。例えば子供に毒を投与したり感染した場合には巣から追い出すことすらあり得る。

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蟻地獄 -

ブリストル大学で研究をしているナタリー・ストロイメイトは「人間とは大きく異なるとは言え動物から学べることもあります」と語る。

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蟻地獄 -

ストロイメイトは「効果的に作用することから選ばれている基本原則というものがあるので、そこからヒントを得ることは可能でしょう」と付け加えた。

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