「ラウド・バジェティング」で節約を恥じるのをやめよう -

友人達と連絡を取り合い、次の集まりを計画しているとしよう。誰かが飲み会を提案したり、別の誰かがみんなが話題にしているトレンディな新しいスポットに出かけることを提案している。周囲が盛り上がっている中、あなたは胃は痛くなり、不安が高まってくる。すでに今月の予算は厳しいが無理してリスクを冒すか、適当な言い訳で断るか。

そこで登場するのが 「ラウド・バジェディング」だ。財務管理に対する積極的で力強いアプローチで、お金に関する透明性とオープンなコミュニケーションを重視するものだ。大きな声で予算を共有することが、いかにあなたの予算管理の最大の味方になるのかを知りになりたい方は、このギャラリーをご覧ください。

© Shutterstock

積極的なアプローチ -

「ラウド・バジェディング（声高に予算を立てる）」とは、自分が何にお金を使いたいのか、また使いたくないのかを積極的に率直に話すことだ。ラウド・バジェディングは、厄介な社会状況を切り抜けるのに役立つだけでなく、支出、貯蓄、将来の計画とのより健全な関係を育むことができる。

© Shutterstock

透明性 -

ラウド・バジェディングには、友人や家族と財政や財政目標について正直に話し合うことが必要だ。そうすることで、お金を稼ぐ、使う、投資する、貯蓄するということについて、協力的な取り組みが育まれる。

© Shutterstock

オープンな会話 -

お金の問題をオープンに取り上げることで、この話題にありがちな羞恥心や不快感を払拭し、より透明で協力的な環境を作ることができる。

© Shutterstock

お金の話 -

「Loud budgeting」という言葉は、ニューヨークを拠点とするTikTokのクリエイター、ルーカス・バトルによって初めて作られた。彼はこれを、富をさりげなく見せる2023年のトレンド「静かな贅沢（quiet luxury）」とは正反対のものだと表現した。その代わりに、ラウドバジェッティングは実用的でアクセスしやすく、日常的な個人のためにデザインされている。

© Shutterstock

お金を使いたくない -

ラウド・バジェディングとは、「私には十分なお金がありません 」と言うことではない。その代わりに、こう宣言するのだ： 「私はお金を使いたくない」。そう語るのは、トレンドセッターのルーカス・バトルだ。

© Shutterstock

ラウド・バジェディングの主旨 -

ラウド・バジェディングは柔軟な節約戦略だ。お金に困っているときに、遊びの誘いを断ることだけではない。また、自分の金銭的な目標が危うくなる可能性がある場合には、デスティネーション・ウェディングのような高価な社交の招待を断ることも含まれる。そして、断る判断の裏にある本当の理由をオープンにすることだ。

© Shutterstock

罪悪感なく「ノー」と言い、健全な家計を優先する -

ノーと言うことは、多くの人にとって、特に人を喜ばせたい人にとっては難しいことだ。マネー・メンターズのファイナンシャル・カウンセラーは、不必要な支出を避けるために、金銭的な境界線を確立し、個人的な目標を優先することの重要性を強調する。

© Shutterstock

シンプルな節約戦略 -

お金の専門家は、節約が軌道に乗るのを助ける10の簡単な実行可能な戦略を提案している：お金のかかるイベントの代替案を提示する、出費のきっかけに気をつける、経済状況について率直に伝える、お金のかかる約束を断るタイミングを知る、ファイナンシャル・プランを作成する、分担出費を委任することを学ぶ、などである。

© Shutterstock

正直に話そう -

© Shutterstock

ラウド・バジェディングの例 -

ここでは、ラウド・バジェッティングの具体的な例をいくつか紹介しよう。

© Shutterstock

誘いを断る -

車のローンを返済するためにお金を節約しているから、来週末のコンサートには行けないと友人に言おう。自分の金銭的な目標を明らかにすることで、一時のイベントよりも金銭的なことを優先する明確な境界線を設定しよう。

© Shutterstock

贈り物に制限を設ける -

クリスマスのプレゼント交換を計画するとき、家族や友人に一人当たり2000円の予算を守ることを伝えよう。旅行や家の改築のために貯金していることを説明し、使いすぎを避けたいことを明確にしよう。

© Shutterstock

金銭目標を共有する -

家族や友人に、家の頭金を貯めていること、テイクアウトのコーヒーやお金のかかる旅行などの出費を控えていることを話してみよう。自分の目標について話すことで、友人も自分の経済的な目標を打ち明け、お互いに支え合ったり安全な空間が生まれるはずだ。

© Shutterstock

一か月の娯楽予算を決める -

パートナーに、外食、コンサート、アクティビティなどの娯楽予算は月20,000円を守りたい、と伝えましょう。このように率直に話し合うことで、2人の経済的な予算の範囲内で、なおかつ一緒にアクティビティを楽しめるようなプランに合意できるはずだ。

© Shutterstock

イベントよりも金銭的なコミットメントを優先する -

例えば、クレジットカードの借金返済に専念しているため、グループ旅行に参加できないことを友人に伝えよう。あなたは、自分の経済的な状況を優先する必要があると説明し、お金の管理について正直な会話を促しましょう。

© Shutterstock

FOMOと戦う -

予算を守るのは難しいことで、特にFOMO（取り残されることへの恐怖）が忍び寄るときはなおさらだ。FOMOに対抗するには、社会的な予定を充実させるために予算に見合った活動に集中し、心から楽しめる体験に優先的にお金を使うことだ。FOMOを感じる場合は、オープンに話し合うことで、その感情を処理し、自分の経済的計画を守るようにしよう。

© Shutterstock

グループ経費の把握 -

ブランチなど、グループでお金を使う場合は、ラウド・バジェディングを実践することで、公平で効率的な出費管理に役立つはずだ。まず、事前にアクティビティに対する予算の上限を明確に設定し、発生した共有コストを把握することから始めましょう。

© Shutterstock

予算管理アプリ -

予算管理アプリのようなツールを使って出費を分類し、全員が公平に負担するようにしましょう。費用についてオープンにすることで、ストレスを減らし、誤解を避け、関係者全員にとってグループ支出をよりシンプルにすることができる。

© Shutterstock

お金を返す -

誰かからお金を借りたなら、できるだけ早く返すことが大切だ。事情があってそれができない場合は、遅れることを率直に伝え、その理由を説明する。逆に、誰かにお金を貸す場合は、それがローンであることを前もって明確にし、相手が返済を先延ばしにしたり、返済を避けたりする可能性を低くしよう。

© Shutterstock

楽しもう -

ラウド・バジェディングは、グループでの財務活動に自然に溶け込み、財務責任を楽しく魅力的なものに変える。今度の旅行のために友人と貯蓄に取り組んだり、グループイベントの資金調達など、お金の目標を共有するために協力しましょう。モチベーションを高めるために、プレゼント交換などの楽しみを導入して、物事をエキサイティングに保ちましょう。

© Shutterstock

進捗を祝う -

自分だけでなく、友人の経済的な達成を祝福することで、誰もが刺激され、やる気を維持することができる。大きな経済的目標に向かって努力するときは、定期的に自分の進歩を大きな声で誇らしげに祝うようにしましょう！

© Shutterstock

組織にもメリットがある -

組織は、財務慣行における透明性と説明責任を育成することで、ラウド・バジェディングが役に立つ。予算と目標についてオープンに話し合うことで、各部門の支出を組織の優先順位に合わせることができ、資源が効果的に配分されるようになる。

© Shutterstock

財務目標を共有 -

さらに、財務目標を共有することで、チームが予算目標を達成するために協力し合い、士気と革新性を高めることができる。予算に関する会話に従業員を参加させることで、従業員は評価されていると感じ、積極的に参加するようになり、コスト削減のアイデアが生まれることも少なくない。全体として、ラウド・バジェディングは、チーム内の信頼と団結を築きながら、組織の財務的健全性を強化する。

© Shutterstock

経済的に苦労していることを認めるのがなぜそんなに恥ずかしいのか？ -

金欠を認めることの恥ずかしさは、社会的圧力、文化的信念、心理的要因の組み合わせから来ることが多い。多くの社会では、経済的な成功は自己の価値と密接に結びついており、人々はしばしば自分の富によって成功を測る。

© Shutterstock

ソーシャルメディアの普及 -

特にソーシャルメディアは、経済的に手が届かないような理想的なライフスタイルが多く紹介されており、自分の物足りなさを増幅させる。他人が贅沢な生活を送っているように見えると、たとえ外見上のイメージが非現実的であったとしても、それについていけないことを恥ずかしく感じるものだ。

© Shutterstock

社会的汚名 -

お金がないことには、社会的に汚名が着せられていることが多い。こうした考え方は、状況にかかわらず、経済的に苦境に立たされたときに人々が恥を感じることにつながる。お金と自己価値の結びつきから、経済的苦難を認めることが個人の失敗を認めることに似ているように感じさせることがある。

© Shutterstock

体裁を保つ -

多くの人は、経済的に安定している、あるいは成功しているという見せかけなければというプレッシャーを感じている。友人や家族、同僚への体裁を保ち、私たちは金銭をうまく管理できるはずだという暗黙の期待があり、金銭的な苦境を認めたがらない一因となっている。

© Shutterstock

ジャッジされることへの恐れ -

資金が不足していることを認めることは、現実であれ想像であれ、他人から批判されるかもという恐怖の感情につながる。無能であるとか、無責任であると思われることを恐れるあまり、経済的苦境について話すことを躊躇してしまうのだ。

© Shutterstock

起きて、奮闘する -

「rise and shine（起きて、輝く）」時代は終わった。多くの人にとって、起床してそのままハードな仕事に飛び込むという、あまり陽気ではない現実を反映し、「rise and grind（起きて、奮闘する）」ことにシフトしている。しかし、1997年から2012年の間に生まれたZ世代は反発している。

© Shutterstock

Z世代 -

その代わりに、Z世代は「ソフトな生活」、つまりセルフケアを中心としたライフスタイルを好み、ストレスを軽減し、心の健康を優先する。そして、経済的な負担が大きなストレスにつながることを考えると、必要のないことにお金を使わないようにすることは、セルフケアとして重要な行為である。

© Shutterstock

節約のイメージを変える -

お金のプレッシャーは現実のものだが、それに反発し、お金についてオープンで正直な会話をすることを提唱する人々が増えている。それによって、金欠のイメージを変え、誰もがいつかは経済的困難に直面するかもしれないという考えを受け入れようとしている。

出典: (Money Supermarket), (CNBC), (Britannica Money), (Money Mentors)

© Shutterstock