地球上で最も風が強い場所 -

気候変動と地球温暖化が進む現代において異常気象はもはや目新しいものではなくなってしまった。しかし地球上には自然が振るう猛威によって苦しめられる場所として有名な地域が存在する。例えば、恐ろしい程の猛烈さから名前が付けられ記録にまで残るような風が吹く場所がある。では地球上で最も風が強い場所はどこなのだろう？

このギャラリーを通して、荒々しい風が吹き荒れる場所の数々を見てみよう。くれぐれも吹き飛ばされないように。世界の強風が吹きつける場所はここだ！

© Shutterstock

ウェリントン（ニュージーランド） -

ニュージーランドの首都として北島に存在するウェリントンは穏やかなイメージがあるかも知れないが、実は年間を通して非常に風が強い。なんと同都市で記録された最高風速は毎時241kmである。

© Shutterstock 

ウェリントン（ニュージーランド） -

猛烈な風が続いたその年は233日間も強風がウェリントンを襲った。しかし平均でもウェリントンには毎時43.5kmの風が吹いている。

© Shutterstock 

オクラホマ州ブリッジ・クリーク（アメリカ合衆国） -

世界気象機関（WMO）のデータによると、アメリカ合衆国のオクラホマ州は竜巻の最高風速の記録を持つ地である。1999年5月3日にブリッジ・クリーク近郊で毎時486kmの風速が記録された。

© Shutterstock 

オクラホマ州ブリッジ・クリーク（アメリカ合衆国） -

風速はストームチェイサーによって、トラックに積まれたドップラー・レーダー装置を使って測定された。竜巻がもたらした風速は毎時511kmにまで達したという話もあるが公式に確認された数値ではない。

© Getty Images 

ニューハンプシャー州ワシントン山（アメリカ合衆国） -

写真はワシントン山の展望所の最初の建物である。この建物は1934年4月12日にアメリカのニューハンプシャー州を吹き抜けた毎時371kmという驚異的な突風に耐えたのだ。当時としては世界の観測史上最も猛烈な風であった。

© Getty Images 

ニューハンプシャー州ワシントン山（アメリカ合衆国） -

ニューハンプシャー州最高峰である標高1,916mを誇る同山では毎時160kmというハリケーン並みの強風が吹くことが日常茶飯事だが、年間を通しての平均風速は毎時51kmである。

© Shutterstock 

バロー島（オーストラリア） -

オーストラリアの北西沖に浮かぶバロー島。1996年4月10日に同島の無人気象台にて毎時408kmにも及ぶ突風が観測された。

© Public Domain 

バロー島（オーストラリア） -

WMOによると1934年にニューハンプシャー州で記録された毎時371kmを上回る史上最強の突風であったという。バロー島における強烈な風の原因となったのは熱帯低気圧「オリビア」であった。

© Public Domain 

エベレスト -

標高8,848mのエベレスト山では11月から2月を中心に毎時160kmを超える強風が頻繁に吹き荒れる。

© Getty Images 

エベレスト -

エベレストで記録された風速としては2004年2月に観測された毎時281kmが最高である。

© Getty Images 

オレゴン州ケープ・ブランコ（アメリカ合衆国） -

ケープ・ブランコはアラスカとハワイを除けばアメリカ合衆国の最西端となっている。最大風速毎時160kmにもなる強烈な冬の嵐が吹き荒れる地として名を馳せている。

© Shutterstock 

オレゴン州ケープ・ブランコ（アメリカ合衆国） -

なんとケープ・ブランコ上空の風速は毎時204kmを記録することもあり、船舶にとって非常に危険な海域となっている。

© Shutterstock

グリュイッサン（フランス） -

南フランスの地中海沿岸に位置するグリュイッサンは、圧倒的なまでの威力を持つトラモンタン風の被害に日頃から悩まされている。

© Shutterstock

グリュイッサン（フランス） -

北西から吹き込むトラモンタン風は年間平均300日間にわたって同地域に毎時29km以上の風をもたらす。

© Shutterstock 

リオ・ガジェゴス（アルゼンチン） -

パタゴニア地域のサンタクルス州にあるリオ・ガジェゴスは世界有数の強風が発生する場所である。毎時50kmを超える風など当たり前で毎時100kmを超える風も珍しくはない。

© Shutterstock

リオ・ガジェゴス（アルゼンチン） -

そうした止まない強風は同地域の植生を曲げる。木々などは発育不良で変形しているかのように見える程である。

© Shutterstock 

カンザス州ドッジシティ（アメリカ合衆国） -

西部開拓時代の荒々しい町として有名なドッジシティはアメリカ合衆国有数の風の強い町として挙げられることが多い。平均風速が毎時22.4kmを上回るような風がまるで暴走する列車のように駆け抜けるのだ。

© Shutterstock

カンザス州ドッジシティ（アメリカ合衆国） -

カンザス州はアメリカで恐れられている竜巻街道に位置している。しかしたまに発生する竜巻よりも、ロッキー山脈から平野部へ吹き込む風こそが大きな要因となって平均風速を押し上げているのだ。

© Shutterstock 

セントジョンズ（カナダ） -

セントジョンズはカナダのニューファンドランド・ラブラドール州の州都である。カナダで最も風が強い都市として有名なこの地では年間を通して平均風速毎時21kmの風が吹いている。

© Shutterstock 

セントジョンズ（カナダ） -

1年の内平均して50日は毎時48km以上の突風が吹き荒れる。さらに大西洋に面した東側にはアメリカ合衆国からの熱帯低気圧（時としてハリケーン）までやって来るため、国内でも熱帯低気圧が発生しやすい地域となっている。

© Shutterstock 

バクー（アゼルバイジャン） -

アゼルバイジャンの首都であるバクーは風の都市として知られている。バクーには冷たく激しい「Khazri」と、暖かく穏やかな「Gilavar」という2種類の風が吹くことが多い。

© Shutterstock 

バクー（アゼルバイジャン） -

バクーは海抜マイナス28メートルという世界で最も低い場所に位置する首都であり、つまりこの猛烈な突風を妨げるものはほとんどないため、「Khazri」の風が毎時144kmに達することもある。しかし、街のシンボルであるフレイムタワー（写真）を倒壊させるほどの強風は吹いていない。

© Shutterstock 

イリノイ州シカゴ（アメリカ合衆国） -

ミシガン湖畔に位置するシカゴはまさにニックネーム通りだ。風の街とはよく言ったものである。

© Shutterstock

イリノイ州シカゴ（アメリカ合衆国） -

湖からの風によって夏の気温は快適に保たれている。しかし同じ風が冬には吹雪となるのだ。1985年1月20日に記録された-33℃という骨の髄まで凍るような低気温をもたらすこともある。

© Shutterstock

スコットランド西部 -

平均風速が毎時24km～27kmであるスコットランドこそがイギリスで最も風が強い場所として公式に認められている。特にスコットランド西部では強い突風が吹き荒れ、1年間で1ヶ月近く強風に見舞われる地域すらある。

© Shutterstock 

シェトランド諸島（スコットランド） -

イギリス気象庁も写真のシェトランド諸島をイギリスで最も風が強い場所として指定しており、隔てるものがない地域では年間平均風速が毎時27kmにも達する。

© Shutterstock 

タリファ（スペイン） -

スペインのコスタ・デ・ラ・ルスに位置し、ジブラルタル海峡を挟んでモロッコに面するタリファを風から守るものはない。その風のおかげでヨーロッパの中でもウィンドサーフィンやカイトサーフィンをする人たちに大人気の場所となっている。

© Shutterstock 

タリファ（スペイン） -

タリファにとっても好都合な非常に強い突風は年間を通して常に吹いている。

© Shutterstock

コモンウェルス湾（南極大陸） -

地球上で最も風が強い場所は南極大陸のコモンウェルス湾となった。同湾の先端部にある岩だらけのデニソン岬にいた科学者たちにより、1912年2月から1913年12月にかけて毎時153kmという史上最高の風が観測された。そして同地域では密度の高い滑降風が時速241km以上を記録することもある。

© Shutterstock 

コモンウェルス湾（南極大陸） -

ギネス世界記録とナショナル・ジオグラフィック・アトラスは共に、コモンウェルス湾を地球上で最も風が強い地域として紹介している。年間の平均風速は毎時80.5kmである。

© Shutterstock