気候変動の影響はもはや周知の事実であると同時に明白でもある。それに伴い地球規模だけではなく、個人としても行動を起こさなければならないという意識を持つ人が増えている。リサイクル、中古品の利用、公共交通機関の利用、地元産の製品の購入、持続可能な食生活の実践などがそれにあたる。
ニューオーリンズにあるテュレーン大学は2023年に行った研究において、代表的な6つの食生活のカーボンフットプリント(温室効果ガスの排出)を分析した。分析された6つの食事とはヴィーガン、オボ・ラクト・ベジタリアニズム(卵乳菜食)、ペスカタリアン、ケト、パレオ、雑食である。
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食品の生産、加工、輸送に関わるあらゆるものを含めた我々の食生活は、地球全体の温室効果ガス排出量の3分の1以上を生み出しているのだ。食品関連の排出は以下の4つのカテゴリーに分類することができる。
農業や畜産業などの土地利用や、それに伴うさまざまな土地改造、森林伐採、揚水などの活動に起因するものである。
食品の生産、加工、包装、輸送に要するエネルギーの消費によって発生するものである。
廃棄物および余剰物の処理に伴う排出を指す。
産業からの排出には包装用のプラスチック、防腐剤、肥料、殺虫剤などの様々な化学物質の生産が含まれる。次に6つの食生活のカーボンフットプリントについての分析結果を見てみよう。
研究によると、ヴィーガンの食生活によるカーボンフットプリントが最も少ないという。1,000Kcalあたり0.69kgの二酸化炭素を排出する。
動物由来の食品がカーボンフットプリントの82%を占めることからも納得がいく。
つまり動物由来の食品を豆類、ナッツ類、種子類などの植物由来のたんぱく質や脂肪に置き換えることで、人間の食生活が環境に与える影響を大幅に減らすことができるということである。
なんと動物性食品を取り除き植物性食品に置き換えた場合では、食品に関連する排出量は73%以上も削減されると計算されているのだ。
カーボンフットプリントが2番目に少ない食生活はオボ・ラクト・ベジタリアニズムである。1,000Kcalあたり1.16kgの二酸化炭素を排出する。
ヴィーガン食とは異なり卵、牛乳、およびこれらを由来とする食品の摂取が可能である。これが排出量が増える理由である。
乳製品の分野だけで世界の温室効果ガス排出量の4%を占めているのだ。
しかしながらオボ・ラクト・ベジタリアニズムの食生活が二酸化炭素排出量に関しては地球に優しい選択であることに変わりはない。
ぺスカタリアンの食生活とは植物性食品を主体に魚介類を取り入れたもので、3番目に環境汚染の度合いが低い食生活である。1,000Kcalあたり1.66kgの二酸化炭素を排出する。
豚肉や鶏肉などの動物由来の食品に比べ、魚介類は炭素に関する問題が少ない。特に貝類やアンチョビやイワシなどの小魚を食べる場合はなおさらその傾向が強い。
その他の魚介類は遠洋漁業ではなく現地の漁師によって漁獲されたものを選ぶことで、漁獲物の輸送および輸送中の保存に伴う排出量を抑えることができる。
しかしサーモンやヨーロッパヘダイのような養殖魚、もしくは養殖の甲殻類はペレット状の餌や油を必要とする。それゆえより多くの廃棄物や排出物を自然環境に放出することになってしまうのだ。
雑食的な食生活には植物性食品と動物性食品の両方が含まれる。1,000Kcalあたり2.23kgの二酸化炭素を排出する雑食的な食生活のカーボンフットプリントは3番目に多い。
この研究により、アメリカ合衆国の人口の86%が雑食的な食生活を送っていることが判明した。
またアメリカ合衆国民1人が年間に消費する量の食肉を生産することにより、年間2,000kg以上の温室効果ガスが発生すると推定されている。
週に1日肉を食べないようにすると温室効果ガスの量は1,600kgに減る。
パレオダイエットが気候変動に与える影響が2番目に大きいのは、土地由来の肉の消費が多いという特徴があるからだ。
パレオダイエットでは1,000Kcalあたり2.62kgの二酸化炭素が発生する。
脂肪分の少ない肉や魚を中心とするパレオダイエットでは多くの植物性食品の摂取が制限される。また穀類、豆類、乳製品、糖分の多い野菜、あらゆる加工食品も食べない。
パレオダイエットでは土地由来の肉や、魚に加えてナッツ類、果物、種子類、一部の野菜の摂取も可能である。
たんぱく質と脂肪の摂取量が多いケトジェニックダイエットでは、炭水化物の消費量が極端に少ないことから、カーボンフットプリントが最も多くなるのだ。しかも主なたんぱく質は動物性のものが中心である。
なんとケトジェニックダイエットでは1,000Kcalあたり2.91kgもの二酸化炭素を排出しているのだ。ヴィーガン食の4倍以上である。
陸上動物に由来する食品が人間の食生活の二酸化炭素排出量に占める割合は群を抜いて高い。植物性食品を食べる場合の人間は一次消費者である。しかし動物性食品を食べる時は二次消費者となるのだ。
つまり中間に位置する段階があり、炭素を排出する全ての過程が繰り返されているということだ。
提供元:(Euronews) (OpenMind)
温室効果ガス排出量が最多の食事と最少の食事
ヴィーガン、雑食主義者。食生活が環境に与える影響を知ろう
フード 環境
気候変動の影響はもはや周知の事実であると同時に明白でもある。それに伴い地球規模だけではなく、個人としても行動を起こさなければならないという意識を持つ人が増えている。リサイクル、中古品の利用、公共交通機関の利用、地元産の製品の購入、持続可能な食生活の実践などがそれにあたる。
ニューオーリンズにあるテュレーン大学は2023年に行った研究において、代表的な6つの食生活のカーボンフットプリント(温室効果ガスの排出)を分析した。分析された6つの食事とはヴィーガン、オボ・ラクト・ベジタリアニズム(卵乳菜食)、ペスカタリアン、ケト、パレオ、雑食である。
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