非暴力犯罪で死刑判決を受ける可能性のある国 -

国際法は、故意でなくかつ「最も深刻」でない犯罪に対する死刑の使用を禁止している。しかし、婚姻外の合意による性的関係や政府に反対すること、宗教を放棄することなどの「犯罪」に対して、いくつかの国では死刑が不合理にも適用されている。実際、世界の一部の地域では詐欺行為でさえ死刑になることがあるという。では、なぜ非暴力犯罪で死刑が宣告される可能性があるのか、どの国でそのような事例があるのか、詳細をこのギャラリーを通して確認しよう。

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ベトナム： ホワイトカラー犯罪 -

440億米ドルの銀行詐欺事件でホーチミンの裁判所で死刑判決を受けた、億万長者のベトナム人不動産王チュオン・ミー・ラン氏の2024年4月の裁判は、ホワイトカラー犯罪の遂行に伴うリスクを浮き彫りにしている。

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中国： ホワイトカラー犯罪 -

中国では、「不正資金調達」で有罪判決を受けるのは死刑犯罪とみなされるため、ホワイトカラーの犯罪者は状況が悪化すれば死刑が言い渡される可能性がある。

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イラン：ホワイトカラー犯罪 -

『アムネスティ・インターナショナル』は、4人のイラン人男性が大規模な銀行詐欺に関与したとして、汚職と「国の経済システムを混乱させた」罪で有罪判決を受け、死刑を宣告された事例を紹介している。

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スーダン：婚姻外の性的関係 -

イスラム教の支配下にあるスーダンでは、婚姻関係外で合意の上で性的関係を持った女性が捕まった場合、石打ちの刑で死刑に処せられることがある。男性も同じ運命をたどる可能性がある。

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イラン： 婚姻外の性的関係 -

イランでも同様に、結婚中の姦通が有罪となれば死刑になる可能性がある。『アムネスティ・インターナショナル』によれば、何人もの女性がこの罪で石打ち刑を待つ死刑囚となっている。

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アフガニスタン： 婚姻外の性的関係 -

アフガニスタンで姦通罪で有罪判決を受けた者は、石打ちの刑で死ぬリスクがある。そしてこの刑罰は、タリバン支配下のアフガニスタンで復活を遂げた。

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ソマリア： 婚姻外の性的関係 -

ソマリアのイスラム主義組織アル・シャバブのメンバーは近年、シャリーア法に違反した罰として石打ちを復活させようとしている。『ロイター通信』によると、2017年、8人の子どもを持つ30歳の母親が、不貞行為を理由に公開石打ちの刑に処された。

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ナイジェリア ：婚姻外の性的関係 -

ナイジェリア北部のいくつかの州では、婚姻外で合意の上で性的関係を結んだ者を罰するために石打ち刑が行われている。写真は、厳格なイスラム法に基づき、姦通罪で石打ちの刑に処せられるかどうかの審理を待つ、シャリア・イスラム法廷の裁判官と向かい合うベンチに座る女性。

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ブルネイ ：婚姻外の性的関係 -

2019年、ブルネイは厳格なイスラム法を導入し、姦通と同性愛者の性犯罪を石打ちの刑に処した。しかし、この動きに対する国際的な非難を受け、ブルネイのスルタンであるハッサナル・ボルキアは、このような場合に死刑を科さないと主張した。

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イエメン：同性愛 -

いくつかの国では、同性愛行為に及んだ者に対して死刑を課している。例えばイエメンでは、1994年の刑法によれば、既婚男性は同性愛行為により石打ちの刑で死刑となる。未婚の男性は鞭打ち刑か1年の禁固刑。女性は数年の禁固刑に処される。

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サウジアラビア： 同性愛 -

サウジアラビアでは、全ての性別において、婚姻外の性交渉はすべて違法である。しかし、結婚している男性が他者と性行為を行った場合、あるいは非イスラム教徒がイスラム教徒と性行為を行った場合は、石打ちの刑に処せられる。

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カタール：同性愛 -

カタールではシャリア法に基づき、イスラム教徒は性的指向に関係なく、婚外交渉で死刑になる可能性がある。

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イラン：同性愛 -

同様に、イランのシャリーア法では、男性同士の同性愛は死刑に処せられ、男性はキスなどの軽い行為で鞭打たれる。女性は公の場で鞭打たれる危険性がある。

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他の国々：同性愛 -

同性愛の行為により生命の危険にさらされる可能性のある国には、ナイジェリア、モーリタニア、アフガニスタン、スーダン、ソマリアがある。

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中国 ：麻薬密売 -

2007年から薬物に対する死刑の執行状況を追跡調査しているNGO、『ハーム・リダクション・インターナショナル（HRI）』によると、2023年には少なくとも467人が薬物犯罪で死刑を執行され、新記録となった。中国は、薬物犯罪に対して定期的に死刑判決を下している国のひとつである。

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イラン：麻薬密売 -

『アムネスティ・インターナショナル』によれば、イランでは、2023年に記録された853件の死刑執行の半分以上にあたる、少なくとも481件が麻薬関連の犯罪で執行された。

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北朝鮮 ：麻薬密売 -

北朝鮮では死刑は合法的な刑罰であり、麻薬密輸を含む多くの犯罪に用いられている。しかし、麻薬密売で捕まり有罪判決を受けた人の数について、北朝鮮の正確な数字を示すことはできない。

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サウジアラビア：麻薬密売 -

2022年11月、サウジアラビア当局が麻薬関連犯罪に対する死刑の執行について21ヶ月間の非公式モラトリアムを終了させた後、有罪判決を受けた密売人に対する死刑執行が再開され、ほぼ毎日のように執行されている。写真は、同国で活動する麻薬密売人に対する死刑に関する予告が記載された入国管理票。

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タイ：麻薬密売 -

『バンコク・ポスト』紙によると、タイでは麻薬関連の犯罪が死刑を助長しているという。タイの死刑囚の半数以上が薬物関連の犯罪によるものである、と同紙は付け加えている。写真はタイの法執行機関によって破棄される予定の押収されたヘロインの袋。

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シンガポール：麻薬密売 -

シンガポールは、パンデミック（世界的大流行）発生中の2年間の中断を経て、2022年3月に死刑の執行を再開し、国際的な批判を浴びた。『ヒューマン・ライツ・ウォッチ』によると、この年、絞首刑による死刑が11件執行され、2023年11月現在、少なくとも16人が絞首刑に処されているが、そのうち何人が麻薬関連の犯罪によるものかは明らかになっていない。

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インドネシア：麻薬密売 -

インドネシアの麻薬密売に対する死刑適用率は高いが、量刑は麻薬関連犯罪の重さ（麻薬密売、大量の麻薬所持など）による。

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スーダン：政府への反対 -

スーダンでは、政府に反対すること、あるいは反乱を促進することは、死刑に値する犯罪となりうる。

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イラン：政府への反対 -

同様に、イランで政府に反対するデモを行うことはリスクが高い。『アムネスティ・インターナショナル』は、同国の最高裁判所が、禁止されているイランの反体制グループとの関係を疑われ、「神への敵意」の罪で男性に科した死刑判決を認めた事例を挙げている。

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モーリタニア：宗教の違反または放棄 -

宗教を冒涜したり放棄したりすること（棄教）は多くの国で違法であり、死刑に値する犯罪もある。モーリタニアでは、イスラム教を捨てることはまさに死刑宣告である。

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ナイジェリア：宗教の違反または放棄 -

ナイジェリア北部のイスラム教徒が多数を占める12の州には、シャリーアを適用した法律があり、イスラム教徒からの背教者を迫害するために使われている。イスラム教を拒否する者にとって、死は非常に現実的な問題である。

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ソマリア： 宗教の違反または放棄 -

ソマリアでは背教は犯罪である。特にキリスト教に改宗したイスラム教徒が、背教の罪で処刑された例は数多く報告されている。BBCの報道によると、2009年、イスラム主義の民兵が、非イスラム教徒のエチオピア軍と協力したことで、宗教を裏切ったとして、ソマリアの政治家が処刑された。

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サウジアラビア：宗教の違反または放棄 -

サウジアラビアでは棄教法が積極的に施行されている。イスラム教に背くこと、イスラム教を捨てることは重大な犯罪である。シャリーア法に基づき、背教者を社会的に排除し殺害することが正当化されている。

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イランとイラク：宗教の違反または放棄 -

イランとイラクには、背教者、特にイスラム教からキリスト教に改宗した者を死刑に処する法律がある。

出典 (BBC）（Reuters）（The Washington Post）（HRI）（Amnesty International）（United Nations）（Bangkok Post）

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