昔、誘拐されたあの子供たちの今 -

誰かが誘拐されて跡形もなく消息を立ってしまった時、私たちは胸が張り裂けそうな思いになる。奇跡的に、数ヶ月後ないし何年も経った後、彼らに再会できる事もある。ただ、無傷で帰ってくるとは言えないのが現実だ。

彼ら生存者は普通の生活を壊され、数々の悪夢を経験し傷付いているが、同時に強さと生存のシンボル的存在となった。

この凍えるようなギャラリーでは、長い間監禁され恐怖に貶められた辛い実話に迫る。わずか11歳の時に誘拐されて行方不明になったジェイシー・リー・デュガードの18年間の悲しい軟禁のストーリーや、ナイフで脅されたエリザベス・スマートの恐怖と希望のストーリーなどを紹介する。

一緒に彼ら生存者の苦難から学び、彼らの現在の姿から希望を見出そう。
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ジェイシー・リー・デュガード -

1991年、11歳だったジェイシー・リー・デュガードは、スクールバスに乗ろうとしている時に、継父の目の前で誘拐されてしまった。その後彼女は18年間も軟禁された。

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フィリップ＆ナンシー・ガリドー -

フィリップ＆ナンシー・ガリドーは、自分たちの敷地に彼女を軟禁した。ジェイシー・リー・デュガードはその間暴行されており、ガリドーの娘2人を生まされた。

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発覚 -

フィリップ・ガリドーは1976年に起こした事件により、既に性虐待者として登録されていた。それどころか、彼には保護観察官に定期的に生活報告する義務が課せられていた。2009年8月26日、彼は妻と娘2人を連れて警察を訪れた。そこで13歳と16歳の娘たちの顔色が悪く怯えた態度だった事から、警察は何かがおかしい事に気付いた。ガリドーと妻は、その場で逮捕された。

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彼女の現在 -

ジェイシー・リー・デュガードがガリドー一家から逃れられたのは、29歳の時だった。彼女が軟禁時代につけていた日記は、2011年に体験記として出版されている。現在、彼女は普通の生活をおくりながら、娘2人を育てている。ABCニュースでのインタビューによると、デュガードは娘たちが望めば父親に会う事を止める事はしないと述べたが、実際に会うことはない。

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エリザベス・スマート -

2002年、14歳だったエリザベス・スマートはソルトレイクシティにある自分の寝室で寝ていたところ誘拐され、森に連れて行かれて9ヵ月間そこにあるキャンプに軟禁された。

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ブライアン・デビッド・ミッチェルとワンダ・バージー -

この誘拐は、過激な宗教家のブライアン・デビッド・ミッチェルとその妻、ワンダ・バージーによって行われた。彼らはスマートを木にチェーンで繋ぎ、暴行した。

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発覚 -

9ヶ月後、スマートの妹は誘拐犯の声に心当たりがあると言った。家族がエマニュエルという名で知っていた男性だった。似顔絵をメディアに流したところ、ブライアン・デビッド・ミッチェルの親族が通報した。ミッチェルとバージーはエリザベス・スマートと一緒に歩いているところを目撃されたのち、拘束された。

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彼女の現在 -

エリザベス・スマートは自身の誘拐の実話をメディアで話し、現在では母であり、活動家であり、また彼女自身の人生を題材にした複数の本の著者でもある。

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パティ・ハースト -

1974年、アメリカの新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハーストの孫娘であるパティ・ハーストがシンバイオニーズ解放軍によって誘拐された。

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シンバイオニーズ解放軍 -

シンバイオニーズ解放軍（略してSLA）は、左翼過激派組織でありいくつかのテロ事件を起こしていた。

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ストックホルム症候群 -

パティの誘拐劇は、彼女が銀行強盗で逮捕された事で幕を閉じた。ジミー・カーター大統領はストックホルム症候群を考慮し、特別恩赦を与え彼女の罪を許した。この症候群は、誘拐被害者が誘拐犯に同情を持つようになる精神状態だ。

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彼女の現在 -

パティ・ハーストは彼女の元ボディーガードのバーナード・ショウと1979年に結婚し、2013年に未亡人となっている。夫婦は2人の娘をもうけ、ハーストは女優となり数々の映画やテレビ番組に出演した。彼女は祖父のメディア界での認知度も継いでいたのだ。

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ザビーヌ・ダルデンヌ -

1996年5月28日、わずか12歳の時、ザビーヌ・ダルデンヌはベルギーのトュールネで学校に自転車通学している途中で誘拐された。彼女はマルシネルの家に連れて行かれ、80日間監禁された。

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マルク・デュトルー -

マルク・デュトルーとその共犯者は、ザビーヌ・ダルデンヌを誘拐し、彼女の首にチェーンをつけベッドに括り付けた。ダルデンヌは、ドュトルーの地下室に80日も隠されていた。ドュトルーは、両親が彼女の事など心配しておらず、身代金にも応じないという事をダルデンヌに信じさせようとしていた。

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80日後 -

ダルデンヌが連れ去られた時、通行人がデュトルーの車のナンバーを控えていたのだ。誘拐犯は、80日後に逮捕された。マルク・デュトルーはダルデンヌと14歳の少女レティシア・デルヘズを誘拐・暴行した事を自白した。犯行現場ではデュトルーの妻と他の4人の被害者の遺体が見つかった。彼は以前に性犯罪で逮捕歴があり、彼の妻ミッシェル・マーティンは彼の犯行を知っていた。

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彼女の現在 -

ザビーヌ・ダルデンヌは2004年にデュトルーに法廷で対面し、犯行の動機を訊ねている。ガーディアン紙のインタビューによると、彼女は同情されるのを嫌い、そっとしておいて欲しかった為に本を書いたと言っている。書籍は14言語に翻訳され、30カ国の書店に並んでいる。現在、彼女のプライバシーは守られ、彼女が今何をしているのかは知らされていない。

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エリーザベト・フリッツル -

フリッツルは18歳で自身の父親に誘拐された。彼は彼女にドアの取り付けを手伝ってもらうように装い地下室に誘い込み、彼女をそこに監禁した。彼女は地下室で偽の手紙を書かされた。家出した事と、母親の秘密を守りたかったら自分を探さないようにという内容だった。

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ヨーゼフ・フリッツル -

ヨーゼフ・フリッツルは24年間彼女を監禁した。自分の娘に性的暴行を加え、7人の子供を産ませた。そのうちの1人は出生時に亡くなっており、遺体はヨーゼフによって処分されていた。またもや娘エリーザベトに偽の手紙を書かせ、彼女が3人の子供を育ててくれるように頼んだ事を装い、その3人を自分の養子とした。残りの子供たちはエリーザベトと共に地下室に隠された。

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どのようにして暴かれたのか？ -

1人の子供が地下室で具合が悪くなり、病院に行く必要が出てきた。ヨーゼフ・フリッツルが彼女を病院へ連れて行き、道端で気を失っていたのを見つけたと偽った。医療関係者たちは彼女の親をテレビを使って探し始めた。エリーザベトは、この事をテレビを見て知り、ヨーゼフを説得して病院に子供のお見舞いに行った。彼女の安全が確保された時、彼女は医者らに全てを打ち明け、ヨーゼフの逮捕へと繋がった。

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彼女の現在 -

エリーザベトは現在、オーストリアの匿名の小さな村「X村」に住んでいる。彼女はボーイフレンドと6人の子供たちと共に住み、家族みんなが新しい身分証明を使っている。

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ナターシャ・カンプシュ -

1998年3月2日、ナターシャ・カンプシュはウィーンで通学途中に誘拐され、地下室で8年の間監禁された。

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ウォルフガング・プリクロピル -

プリクロピルは彼女を窓の無い、スチール扉付きの防音された地下室に閉じ込めた。そこで彼女を拷問し、飢えさせ、暴行した。

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逃げ道 -

誘拐犯に監禁されている間、カンプシュは常に監視された状態で住居の中を歩き回る事を許された。2006年8月26日、彼女がウォルフガングの車を掃除している時に、ウォルフガングは掃除機の音について訊ねる電話を受けていた。その隙を掴み、彼女は逃げ、別の女性に助けを求めた。カンプシュが逃げた後、ウォルフガング・プリクロピルは電車の線路で自殺した。オーストリアの警察から逃れている最中の事であった。

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彼女の現在 -

彼女のストーリーは世界中で知られ、カンプシュは実話に基づいた本を書いた。2013年には映画化もされている。現在、彼女は著者、テレビホスト、活動家として働いている。彼女にはプリクロピルの家が与えられ、そこに住んではいないものの、その家の維持費を払い続けている。

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ショーン・ホーンベック -

ショーンは2002年、11歳で自転車に乗っている時に誘拐された。彼は4年間、両親の家から80kmほどの場所で軟禁されていた。

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マイケル・デヴリン -

マイケル・デヴリンはショーンを閉じ込め、逃げようとしたら危害を加えると脅した。彼は少年に性的暴行を加え、それを記録に残した。デヴリンはまた、ショーンを違う州に連れまわし、他人に暴行もさせていた。

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どのようにして暴かれたのか？ -

2007年、デヴリンは2人目の被害者、ベン・オウンビーを誘拐した。幸運な事に、別の少年がこの誘拐を目撃しており、警察にトラックの見た目を知らせた。4日後、オウンビーとショーンはデヴリンのアパートで発見され、デヴリンは誘拐や性的虐待などの80件で起訴された。彼はすべての容疑で有罪となり、74の無期懲役に加え2020年間の刑期を課せられた。

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彼の現在 -

ショーン・ホーンベックは結婚し、父親となっている。彼とベン・オウンビーは今でもセントルイスに住んでいる。ショーン・ホーンベック財団はショーンの両親によって設立され、2013年まで活動した。そのミッションは、行方不明の子供たちを捜し出すことだった。

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アマンダ・ベリー、ジーナ・デヘスース、ミシェル・ナイト -

アマンダ・ベリー、ジーナ・デヘスース、ミシェル・ナイトの3人は、米オハイオ州クリーブランドで2000年代初期に行方不明になった。

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アリエル・カストロ -

アリエル・カストロは2002年に21歳だったミシェル・ナイトを、2003年に16歳だったアマンダ・ベリーを、そして2004年に14歳だったジーナ・デヘスースを拉致した。女性たちは監禁され、暴行され、その末に妊娠してさらに流産させられた。9年から11年の間カストロの家で過ごす他なく、陽の光も滅多に見られなかった。アマンダ・ベリーはカストロの子供を生み、その子もまた監禁されていた。

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どのようにして逃れたのか？ -

2013年5月6日、アマンダ・ベリーはアリエル・カストロが不在の隙にドアを叩きながら助けを呼び叫んだ。隣人らが彼女を逃し、通報した。そうして3人の女性はそこから逃れる事が出来たのだった。アリエル・カストロは死刑を宣告されたが、獄中で自殺した。

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現在 -

彼女たちが逃れた2ヵ月後、3人は人々からの寄付と関心に対して感謝のビデオを公開した。アマンダとジーナは、2015年に自身らの監禁生活について綴った本を出版した。ミシェル・ナイトは名前を変え、結婚し、財団を設立し、そして講演者として世界を旅した。アマンダ・ベリーはカストロの家で生んだ娘を育てながら、Fox 8 チャンネルで「Missing」という番組のホストをしている。 ジーナ・デヘスースは家族と住み、非営利で行方不明の子供と大人の為のクリーブランド・ファミリー・センターを設立し、愛する人たちを拉致された人たちのサポートをしている。

出典: (People, CBS)

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