検閲された物語：ベストセラーになった禁書の数々 -

出版される本は時に、大胆な考え、露骨な内容、また繊細な人種的テーマなどを扱うことによって論争の火種となる。本の内容についての議論は数年で終わるようなものではなく、永遠のテーマとなる。

たとえば、アート・スピーゲルマンの『マウス』。自身の両親がホロコーストから生還した話を、猫とネズミのキャラクターを使って描いた。1992年にグラフィックノベルとしては初のピューリッツァー賞を受賞し、アンネ・フランクの日記と同様に、その時代を教える教材として学校で広く用いられている。しかし、2022年1月、テネシー州の学校委員会はいくつかの不快な言葉やイラストが原因で、「下品で不適切」として『マウス』の教材としての使用を禁じたのだ。問題のイラストはメスのネズミのもので、「God damn」（神を冒涜する言葉）というフレーズが問題の言葉の一つとして引用されている。

スピーゲルマンはこの対応について、「オーウェル的（管理社会化）だ」と批判し、「多くの若者が私の本から何かを学んだ」とコメント。また、「テネシーが明らかに異常なのは分かる。非常におかしなことが起こっている」と述べた。

これから挙げる書籍はすべて、アメリカ議会図書館の展示会「アメリカを形作った書籍」に掲載された、過去に禁止または検閲されたことがあるものたちだ。

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『ライ麦畑でつかまえて』 - J.D. サリンジャー -

この書籍は「冒涜的」「わいせつ」「不潔」と非難され、多くの学校で禁止された。

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『ハックルベリー・フィンの冒険』 - マーク・トウェイン -

マーク・トウェインの文学傑作は物議を醸し、1885年のマサチューセッツ州コンコードで禁止されて以来、次々と検閲に直面した。主に書籍内の差別的要素に関する懸念が原因だ。

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『華氏451度』 - レイ・ブラッドベリー -

ブラッドベリーの小説は、本が禁止され焼かれる世界を描いている。興味深いことに、カリフォルニア州アーバインの中学校は、「受け入れられない」とされる言葉を遮蔽した検閲版を使用している。

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『Howl』 - アレン・ギンズバーグ -

ギンズバーグの本は同性愛行為の描写を理由に、当局によって禁止された。

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『Beloved』 - トニ・モリスン -

モリスンのピューリッツァー賞受賞小説は高校で取り入れられる事も多いが、その露骨な暴力や性的内容が親たちによって懸念されている。

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『Bury My Heart at Wounded Knee』 - ディー・ブラウン -

ディー・ブラウンのこの書籍では、アメリカ先住民の視点からアメリカ合衆国の歴史が語られている。国の成長と西部拡張も本の中で探求している。1974年、ウィスコンシン州の学区の役人が論争を恐れて本を禁止した。

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『The Words of Cesar Chavez』 - セザール・チャベス -

法的な理由により、ツーソン統一学区のメキシコ系アメリカ人プログラムは解体され、チャベスが書いた多くの書籍も禁止された。

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『彼らの目は神を見ていた』 - ゾラ・ニール・ハーストン -

この小説の性的な内容と言葉遣いに、バージニア州の高校の上級英語クラスの一部の保護者らが不満を表明した。ハル・ベリー主演で映画化もされている作品。

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『風と共に去りぬ』 - マーガレット・ミッチェル -

ミッチェルの書籍はピューリッツァー賞を受賞し、映画化作品はアカデミー賞を受賞したが、奴隷制の描写や人種差別的な言葉の使用により、いくつかの場所で禁止された。

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『異星の客』 - ロバート・A. ハインライン -

この書籍の「大人のテーマ」がテキサス州メルセデスの親たちの不満を招き、それから子どもたちの課題図書に対する親の目が厳しくなった。

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『かいじゅうたちのいるところ』 - モーリス・センダック -

多くの親や図書館員たちがこの物語を不気味だとみなした。

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『グレート・ギャツビー』 - F.スコット・フィッツジェラルド -

サウスカロライナのバプティスト・カレッジが、性的な言及を理由にこの小説の禁止を試みた。

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『アラバマ物語』 - ハーパー・リー -

ある教育者たちは、ピューリッツァー賞を受賞したこの書籍を屈辱的で不適切、更に人種差別的だと見なしている。

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『からだ・私たち自身』 - ボストン女の健康の本集団 -

この影響力のある女性の性と解剖学に関する書籍は、同性愛を推進しているとか、「膣」という言葉を使用しているとして異議が唱えられた。批判は、出版直後に始まった。

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『野生の呼び声』 - ジャック・ロンドン -

この書籍は歴史を通じて批判と検閲に直面している。ナチスの焚書をはじめ、イタリア、ユーゴスラビア、その他の場所で禁止された。批評家たちはその暴力的で暗い内容に異議を唱えたのだ。

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『キャッチ=22』 - ジョセフ・ヘラー -

1972年、この本がオハイオ州の高校の学習カリキュラムと図書館から除かれた。しかし、1976年に地区裁判所によって禁止が覆された。

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『人間男性の性行動』 - アルフレッド・キンゼイ -

キンゼイの新しい研究は、個人の性体験についての調査を伴う事により、激しい批判に直面した。そして、国際的な出版禁止に直面した。

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『ネイティブ・サン』 - リチャード・ライト -

この書籍は、その露骨な性的内容と暴力的なシーンの描写のため、いくつかのアメリカの州で議論または禁止に直面した。

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『マルコムX自伝』 - マルコムX とアレックス・ヘイリー -

人権活動家としても知られるマルコム・リトルが共同執筆したこの自伝は、一部の批評家から犯罪の手引きと見なされたり、「反白」として、その禁止を提唱されたりした。

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『緋文字』 - ナサニエル・ホーソーン -

この書籍は、不適切であり、社会の規範から逸脱しているという理由で検閲に直面した。

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『見えない人間』 - ラルフ・エリソン -

この小説は全米図書賞を受賞したが、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ワシントンの高校で、黒人民族主義とマルクス主義についての内容を理由に禁止された。

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『誰がために鐘は鳴る』 - アーネスト・ヘミングウェイ -

出版直後に、アメリカ郵便公社はこの書籍を郵送するのには不適切と判断し、結果書籍の配布が制限された。後に映画化された作品は成功を収め、アカデミー賞を受賞した。

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『欲望という名の電車』 - テネシー・ウィリアムズ -

この高い評価を得ていた劇が映画化された際、監督は、舞台版で描かれた露骨な表現を削除して作品化した。

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『草の葉』 - ウォルト・ホイットマン -

この本の初版はニューヨーク悪徳弾圧協会によって過度に官能的だとみなされた。マサチューセッツ、ペンシルベニア、ニューヨークの一部の書店では、顧客に購入においての警告をした。

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『怒りの葡萄』 - ジョン・スタインベック -

スタインベックの1939年出版のこの本は、その物語が展開されるカリフォルニア州カーン郡において、本文中に使用される冒涜的な言葉や性的内容を理由に禁止された。さらに、この書籍はトルコなどのいくつかの国でも禁止された。スタインベックは『怒りの葡萄』でピューリッツァー賞を受賞し、1962年にはノーベル文学賞を授与された。

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『ジャングル』 - アプトン・シンクレア -

この書籍は出版された際、ユーゴスラビア、東ドイツ、韓国などの国々でその社会主義的見解のために禁止されたとされる。ボストンでも抑圧された。

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『赤い武功章』 - スティーブン・クレイン -

フロリダ州ベイ学区の保護者らが、この書籍についての懸念を提起した。多くの人々が、この本には過度な暴力が含まれているとの意見を表明している。

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『冷血』 - トルーマン・カポーティ -

カポーティの本は、その汚い言葉、性的内容、暴力性のために苦情を受け、禁止された。しかし、後に書棚に戻されることとなった。

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