関節リウマチ(RA)は現時点では治療法のない慢性疾患である。しかし幸いながら、病状をコントロールする方法はいくつか存在する。
関節リウマチに対する極めて効果的な自然療法は睡眠である。ジャーナル・オブ・クリニカル・メディシン誌が発表した報告によると、睡眠の質の低下はこの病気に苦しむ人々にとってとりわけ悪影響を及ぼすという。十分な睡眠がとれないと痛みの度合いや運動能力に影響するからだ。
バイオフィードバックとは心拍数や血圧などの自動的な反応を調節できるようになるために、視覚的または聴覚的な反応を用いる心と体のテクニックである。セラピストはストレスに対する反応をコントロールする方法を指導する。その情報をもとに一定の身体機能をより上手くコントロールできるようになり、健康面での悩みに対処できるようになる可能性があるのだ。
日頃から運動をすることで関節の腫れが引き、痛みが和らぎ、関節の可動域が広がる。早歩きや水泳などの負荷の少ない有酸素運動を行おう。筋トレは間接周りの筋肉を強くする効果がある。関節可動域訓練は関節が本来持つ動きができるように促すものだ。
アクアビクスはとりわけ関節リウマチの不快感を和らげるのに効果的な方法だ。水中での運動は筋力、持久力、柔軟性を高めると同時に優れた有酸素運動でもある。また水が持つ浮力は筋肉や関節をしっかりと支えてくれる。
関節リウマチを患っている人にとって好ましい影響が期待できる低負荷の運動としてヨガも挙げられる。運動、呼吸法、瞑想を組み合わせることで気分、疲労、さらにはこの病気によく見られる慢性疼痛を改善する効果があるのだ。
そしてヨガよりももっと良い効果が期待できるのが太極拳である。中国古来の武術はゆっくりとした動作を連続して組み合わせながら丁寧に行うことで筋力、柔軟性、バランス感覚などを鍛えることを目的としており、これらの全てが関節リウマチ患者にとって有益となる可能性がある。
漸進的筋弛緩法とは息を吸いながら筋肉を緊張させ、息を吐きながら筋肉を弛緩させる方法で、ストレスへの対処法であると同時に筋肉を鍛えるトレーニングでもある。効果としては幸福感の向上、血圧の低下、筋肉の緊張度の軽減などが挙げられる。
深呼吸の利点は数多い。ストレスの軽減、痛みの緩和、免疫力の向上などである。腹式呼吸でゆっくりと深呼吸をすることでエネルギーが湧き、血圧が下がり、正しい姿勢を保つことができる。こうした利点は全て関節リウマチの症状に効果的である。
瞑想によりしっかりと呼吸に集中することができるため、その結果として痛みや不快感といった思考から脳を引き離すことができるのだ。関連する方法としてマインドフルネス瞑想が挙げられる。自分の思考、感情、呼吸に意識を向けるこのテクニックには、痛みの強さ、抑うつ、その他の関節リウマチの症状を軽減する効果がある。
瞑想の中でも簡略化された方法に視覚化瞑想として知られるものがある。目を閉じて深呼吸をし、静かで落ち着ける場所にいる自分を思い浮かべるだけというものだ。痛みやストレスを軽減するもう1つの方法である。
痛みを伴う関節リウマチの炎症は冷湿布で対処することも可能である。冷やすことで関節の腫れや炎症を抑えると共に筋肉の血管を収縮させる。これにより血液の流れが悪くなり、痛みや圧痛が軽減されるのだ。
反対に温熱には筋肉を弛緩させ、血流を促進させる作用がある。また温熱は関節の円滑さを促進するため、筋肉や関節のこわばりを和らげる目的で用いられることもある。
様々な料理によく使われるスパイスであるウコンは、伝統医学においても長い歴史を持つ。ウコンに含まれる中で最も活性な化合物であるクルクミンが持つ天然の抗炎症作用と抗酸化作用は、関節リウマチの症状を和らげるのに役立つ可能性がある。
研究では、生姜を習慣的に食べることで、関節リウマチや変形性関節症などに伴う特有の痛みを和らげることができる可能性についても示唆されている。
エッセンシャルオイルは関節リウマチの腫れ、こわばり、痛みなどの炎症症状を緩和する目的で使用することがある。エッセンシャルオイルは希釈してから皮膚に塗布し、新しいオイルを使用する際は過敏反応やアレルギーがないことを確認しよう。ではどんなオイルが最も効果的なのだろうか?
ジャーナル・オブ・ファーマスーティカル・サイエンシズ・アンド・リサーチ誌に掲載された研究では、レモングラスのエッセンシャルオイルを皮膚に塗布することで、痛みの程度が少しずつ軽減されるという結論が出ている。
同様に、希釈またはジェル状にして患部に塗布することで、ユーカリのエッセンシャルオイルが持つ抗炎症作用と鎮痛作用が炎症を抑え、痛みを和らげることが指摘されている。
一部の植物油には関節リウマチの症状を和らげるものがある。例えばマツヨイグサである。マツヨイグサをサプリメントとして摂取することで、皮膚の炎症状態を緩和すると同時に皮膚全体の健康状態を改善する効果が期待できるのだ。
ライコウトウは中国南東部で多く栽培されている素晴らしい多年草で、何世紀にもわたって伝統医学に用いられてきた。研究より関節リウマチの症状軽減に効果がある可能性が示唆されている。しかしながら長期的な影響や安全性についてはさらなる研究が必要である。またライコウトウは正しく処理しないと毒になることもあるので注意が必要だ。
フィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸の健康効果については実証されており、炎症に対して効果があることも知られている。なんとオメガ3脂肪酸の摂取量が多ければ多いほど、炎症が抑えられるという研究結果も多数存在するのだ。
サプリメントを飲む代わりに外用の抗炎症クリーム、ジェル、ローションなどを医師の指示に従って直接皮膚に塗ることも可能だ。外用軟膏にはスプレータイプやパッチタイプのものもある。
健康的な生活を送るためにはバランスの取れた食生活を心がけることが鍵となる。関節リウマチに苦しんでいる人は、抗酸化物質や抗炎症作用のある食品を積極的に摂りたい。例えばブロッコリー、ほうれん草、トマトなどの野菜を生の状態または軽く火を通して食べることをおすすめする。
英語のことわざである「1日に1個のりんごは医者を遠ざける」とはよく言ったものだ。もちろん新鮮な果物をたっぷりと食事に取り入れることが関節リウマチ対策につながることは言うまでもない。
ナチュラルヨーグルトの優れた点は、抗炎症作用などの様々な健康上のメリットを持つプロバイオティクス、生きた菌、酵母がたっぷり含まれているからである。
磁気療法が関節リウマチの炎症症状に対して有効な方法かどうかについてはまだ議論の余地がある。関節炎財団によれば、磁気治療や銅製のアクセサリーを身に付けても関節炎の痛みには効果がないことが証明されているという。しかし実際のところ、磁気に関する研究の大半は関節リウマチではなく、老化によって起こる変形性関節症の人々を対象としているのだ。
関節リウマチは体力を消耗し、気力まで奪ってしまう。ここで朗報なのが、スプリント、補強装具、首の固定具などの体を動かすのを助けてくれる補助器具が豊富に存在するのだ。さらに浴室や階段に設置する手すりやバーなどといったカスタムオーダーできる家庭用の製品も、家の中を安全かつ快適に移動するのに役立つ。
何千年にもわたり試行錯誤が繰り返されてきた鍼治療は、自然療法としてはかなり古い部類に入る。伝統的な中国医学であり、炎症に関係している体内の化学物質の量を減少させることが知られている。また特に腰痛などの慢性疼痛にも効果があるという。鍼治療は変形性関節症にも効果があるのだ。
マッサージにより関節リウマチの症状が改善する可能性があり、痛みを和らげる効果が期待できるマッサージには様々な種類がある。またマッサージは握力の向上や関節可動域の拡大にも有効なのだ。
問題を分かち合うことで問題を半減させられることを忘れないでほしい。家族、友人、他の関節リウマチの患者同士のサポートは関節リウマチの症状を改善する助けとなるはずだ。対面またはオンラインで支援グループに参加し、同じ思いを抱える人たちと交流しよう。そうすることにより関節リウマチについての知識が深まり、他の人がどのように対処しているのかを知ることができる。
提供元:(Journal of Clinical Medicine) (Complementary Therapies in Clinical Practice) (Journal of Pharmaceutical Sciences and Research) (Journal of the American College of Nutrition) (Arthritis Foundation)
関節リウマチ(RA)は主に関節に起こる自己免疫疾患であり、炎症性疾患である。手首や手などに生じることが多く、熱っぽさと痛みを伴う腫れが特徴である。治療法はないが関節リウマチの症状を軽減し、進行を遅らせる方法はいくつか存在する。中には痛み、炎症、こわばりに効果的な自然療法も含まれている。
クリックして関節リウマチの痛みを軽減する方法を確認してみよう。ただし個人の状態に合わせて適切なものを選ぶために、必ず事前に主治医に相談しよう。
関節リウマチに効く自然療法
睡眠は関節リウマチに対する極めて効果的な自然療法であることは知ってる?
健康 人体
関節リウマチ(RA)は主に関節に起こる自己免疫疾患であり、炎症性疾患である。手首や手などに生じることが多く、熱っぽさと痛みを伴う腫れが特徴である。治療法はないが関節リウマチの症状を軽減し、進行を遅らせる方法はいくつか存在する。中には痛み、炎症、こわばりに効果的な自然療法も含まれている。
クリックして関節リウマチの痛みを軽減する方法を確認してみよう。ただし個人の状態に合わせて適切なものを選ぶために、必ず事前に主治医に相談しよう。