ベルリンの壁崩壊：ヨーロッパにおける共産主義の崩壊を振り返る - ヨーロッパの共産主義崩壊から30年以上が経過した。1989年、東側諸国が崩壊し、最終的に解体する様子に世界が驚愕したのも束の間。それから2年後、ソビエト連邦の崩壊が宣言された。

このギャラリーで、80年代後半から90年代前半の反共産主義革命へとつながった出来事を振り返ってみよう。

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ハンガリー革命 -

共産主義の崩壊は、実際には1989年の東欧革命よりもずっと前から始まっていた。事実、最初の亀裂は、ハンガリー革命として知られる反乱を鎮圧するために、ソ連軍がハンガリーに侵攻した1956年11月であった。

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プラハの春 - チェコスロバキアのいわゆる「プラハの春」と呼ばれる政治自由化と改革推進運動は、1968年8月にソビエト連邦とワルシャワ条約機構軍が同国に侵攻したことにより、残酷にも弾圧された。

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ポーランドにおける「連帯」結成 - 「連帯」とは、共産党の支配を受けないワルシャワ条約機構加盟国初の労働組合で、レフ・ワレサの指導の下、1980年9月にグダニスクのレーニン造船所で結成された。

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連帯運動 -

連帯運動は、ポーランド共産党が打ち出した政策への反発として始まった。賃上げを要求する造船所労働者のストライキは、瞬く間に全国に広がった。写真は1980年8月、レーニン造船所でのストライキを行うレフ・ワレサ。

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東欧における共産主義終焉の始まり - ポーランド政府は最終的に戒厳令を敷き（写真）、ソリダリティ運動は終焉を迎えた。しかし、前例のないこの労働争議は、ソビエト連邦の権力と影響力をひどく弱体化させた。最終的に失敗に終わったものの、この運動は東欧における共産主義終焉の始まりを告げるものとなった。

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ミハイル・ゴルバチョフ -

1985年3月、ミハイル・ゴルバチョフがソビエト連邦の指導者となった。先見性があり、改革志向のゴルバチョフは、ペレストロイカ（経済再建、例えば企業間の競争）とグラスノスチ（情報公開）を許可することでソビエト連邦の体制を改革し始めた。

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ペレストロイカとグラスノスチ - ペレストロイカ（経済の幅広い再建を意味する）とグラスノスチ（自由な発言を意味する）により、体制に対するロシア国民の懸念や不満を公然と表明することになった。

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経済改革 -

国民が中央政府に異議を唱えるようになったため、ゴルバチョフの政策は幅広い支持を得るようになった。これにより、官僚らはゴルバチョフの意図する経済改革を承認せざるを得なくなり、やがて政策は意図した効果を発揮した。ところが、程なくして事態は手に追えない状態に陥っていった。

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グラスノスチ - グラスノスチは表向きには開放性と政治批判を提唱していたが、これらは国家が定める狭い範囲内でのみ許可されていた。東側諸国の一般市民は依然として、秘密警察の厳しい取り締まりと政治的弾圧の対象であった。

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民主化 -

ゴルバチョフの民主化（デモクラティザツィア）の考えを受け入れ、新たに勝ち取った表現の自由を当局が弾圧しないことを理解する国民が増えるにつれ、ゴルバチョフは中欧や東欧諸国に対し、ペレストロイカとグラスノスチを実施するよう推進した。

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自由化 -

ハンガリーとポーランドの改革派は、東側から広がる自由化の波に勢いづいた。

1980年代半ばを通じて、ポーランドの連帯運動は地下組織としてのみ存続していたが、1988年の全国規模のストライキの新たな波により、政府はレフ・ワレサとの対話を行わざるを得なくなった。

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武力行使の放棄 - 1989年7月初旬、ミハイル・ゴルバチョフは、他の東側諸国に対する武力行使を暗に放棄した。

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ポーランドにおける一党支配の終焉 - 第一書記長ヴォイチェフ・ヤルゼルスキ率いる共産党政権と「連帯」の会談後、非共産主義者のタデウシュ・マゾヴィエツキ（写真はルーマニアの指導者、ニコラエ・チャウシェスクと共に）がポーランドの首相に指名され、ソビエト連邦は異議を唱えなかった。5日後の1989年8月24日、ポーランド議会は40年以上にわたる一党支配に終止符を打った。

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非共産主義政権 -

ポーランドに続いて、ハンガリーが非共産主義政権へと移行した。

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ハンガリーの国境フェンス撤去 - ハンガリーはすでに「鉄のカーテン」の撤去を始めていた。1989年4月、ハンガリー政府はハンガリーとオーストリアの国境沿いにある全長240kmの有刺鉄線フェンスの電力を遮断するよう命じた。

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開かれた国境 - 翌月には、国境警備隊が障壁の一部撤去を開始した。国境が開かれたことで、ハンガリー人がオーストリアに商品やサービスを求めて行き来することができるようになった。写真は現在の国境。

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ハンガリーにおけるソ連軍の占領統治終了 -

1989年10月、ハンガリーの共産主義政権は正式に廃止された。1990年3月、ハンガリーは人民共和国からハンガリー共和国へと体制転換し、1991年にはハンガリーにおけるソ連軍の軍事占領が終了した。

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ドイツ民主共和国 - ドイツ民主共和国（GDR）は、第二次世界大戦の終結時にソ連軍が占領・統治していた地域を基盤として、1949年にソ連が樹立した国家であった。

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西ベルリン - ソ連軍の占領地域は西ベルリンを取り囲んでいたが、西ベルリンは含まれていなかった。そのため、西ベルリンはGDRの管轄外のままであった。

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ベルリンの壁の建設 -

事実上、ソビエト連邦の衛星国となった東ドイツは、当時の東側諸国において大きな経済発展を遂げた。しかし、西側への移住（脱出）が大きな問題であった。国民の亡命を食い止めるため、政府は西側の国境を強化し、1961年にベルリンの壁を建設した。

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抑止力 -

28年間、GDRによって厳重に警備された東ドイツの西側国境とベルリンの壁は、共産主義から逃れようとする人々に対する大きな抑止力となった。

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流出を食い止める - しかし、ハンガリーの国境が開かれていたため、1989年9月末までに3万人以上の東ドイツ人が西側へ脱出した。この流出を食い止めるため、東ドイツは最終的にハンガリーへの渡航を禁止した。

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チェコスロバキアとの国境が閉鎖 - ハンガリーとの国境が再び閉鎖されたことで、東ドイツ人が脱出できるのは、隣国チェコスロバキアだけとなった。しかし、東ドイツ当局は1989年10月3日、チェコスロバキアとの国境も閉鎖した。写真は現在の国境。

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東ドイツ崩壊の始まり -

この頃になると、東欧で起こっている重大な出来事を世界中の人々が注目するようになっていた。ゴルバチョフは、国内改革に反対し続けた東ドイツの指導者エーリッヒ・ホーネッカー（写真）と会談した。ホーネッカーは後にエゴン・クレンツによって解任された。1989年11月1日、チェコスロバキアとの国境が再び開かれた。

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「壁」の取り壊し -

東ドイツ当局は最終的に、東ドイツ市民が西ベルリンや西ドイツに直接入国することを許可することで、世論の圧力に屈した。1989年11月9日、ベルリンの壁に新たな横断地点が強制的に開けられた。最終的に、市民がハンマーやノミを使って壁全体を取り壊した。

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「ビロード革命」 -

チェコスロバキアでは、共産主義制から議会共和制への非暴力的な政権移行が起こり、「ビロード革命」として知られるようになった。作家で反体制派のヴァーツラフ・ハヴェルが1989年12月29日に大統領に就任した。

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ブルガリア - 1989年11月10日（ベルリンの壁が崩壊した翌日）、ブルガリアで長年にわたる政権を担ったトドル・ジフコフが、政治局によって失脚させられた。1989年12月11日、ブルガリア共産党は、政権独占を放棄する意向を発表した。1990年6月には、1931年以来初めての自由選挙が実施された。

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ニコラエ・チャウシェスク -

ルーマニア共産党指導者、ニコラエ・チャウシェスクは、東欧他諸国の反共産主義による反乱を乗り切れると確信していた。最終的にチャウシェスクは、恐れられていた秘密警察「セクリターテ」を使って、反共産主義のデモを暴力的に弾圧した。

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反乱 - 1989年12月21日、演説中に不満を抱くデモ隊が、この独裁者（写真は1967年当時のバルコニーにて）にブーイングと野次を浴びせた。秘密警察はデモ隊に対して武力を行使した。

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チャウシェスクの処刑 -

しかし翌日、ルーマニア軍は秘密警察と戦うためにデモ隊の側に付いた。チャウシェスクと妻のエレナは最終的に逮捕され、急遽裁判にかけられた。そして夫妻は1989年のクリスマスに処刑された。ルーマニア革命は、1989年の革命の中でも最も血なまぐさいものとなった。

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バルト諸国 -

1990年5月までに、エストニア、ラトビア、リトアニアはソビエト連邦からの独立を宣言した。ソ連は1991年9月までに、三国の独立を承認した。

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アルバニア -

ラミズ・アリヤ率いるアルバニアは、1990年に海外渡航の自由を認めるなど、いくつかの自由化措置を導入した。1992年3月の選挙では、アルバニアの旧共産党が敗北した。写真は、1978年のマルクス・レーニン主義の旗のポスター。

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ユーゴスラビア -

ワルシャワ条約機構には加盟していなかったものの、ユーゴスラビアでは、台頭しつつあった市民社会と共産主義政権との間で衝突が相次いだ。ソビエト連邦の崩壊はユーゴスラビアの分裂につながり、独立への動きに煽られた民族・国家間の緊張が高まり、一連の残忍な内戦を引き起こすこととなった。

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ソビエト連邦の崩壊 -

1991年7月1日、ワルシャワ条約機構は正式に解散した。1991年12月までにソビエト連邦は崩壊し、消滅した。冷戦は終わり、それに伴いヨーロッパの共産主義も消滅した。

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