ジョリー・ロジャー旗：海賊旗の恐ろしい歴史 -

不吉なドクロと骨が交差した旗、ジョリー・ロジャー（欧米で「海賊旗」の呼び名）は海賊の象徴として最もよく知られている。現代文化ではしばしばロマンチックに描かれているが、18世紀には公海上の人々にとって、暴力と無法が差し迫っていることを示す恐ろしい目印であった。海賊は、降伏しなければ残忍な攻撃を受けるという明確なメッセージを標的に伝えるためにこの旗を揚げていた。

ドクロと骨が今日の旗として最も定番となっているが、ジョリー・ロジャーはかつては単色で、時にはシンボルマークやデザインが描かれていた。しかし、この旗の名前の由来は何か？そして、どの海賊が使用したのか？

紛れもない海賊旗、ジョリー・ロジャーについてもっと詳しく知るために、今すぐこのギャラリーをクリックしよう。

© Getty Images

海賊の現在 -

海賊は歴史上最も恐ろしい存在の一つである。しかし、今日私たちが海賊について考えるとき、おそらく「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウ船長やディズニーのフック船長のイメージを多い浮かべるだろう。

© NL Beeld

海賊とは -

海賊とは、略奪者であり、大胆かつ残忍ではあったが、その多くは生計を立てるために犯罪に手を染めた一般の人々であった。

© Getty Images

「海賊の黄金時代」 -

18世紀は、船舶や沿岸の町での強盗が増加したため「海賊の黄金時代」と呼ばれることがよくある。この時代の海賊に関連する最も永続的なシンボルの一つは、海賊旗であるジョリー・ロジャーである。

© Getty Images

ぼんやりとした始まり -

今日では、白いドクロと骨が交差した黒い旗は、すぐに海賊旗として認識される。しかし、このバージョンの旗が広く使われるようになったのは18世紀になってからだった。

© Getty Images

1700年代以前のドクロと骨の紋章 -

ジョリー・ロジャーは18世紀に一般的になったが、歴史家たちはこの旗は1700年代より古く、その1世紀前に北アフリカのバルバリア海賊が作ったものだと考えている。

© Shutterstock

海賊旗の構成 -

18世紀の記録によると、海賊旗にはドクロと骨のほか、砂時計や血を流すハートなどのシンボルも描かれていた。一部の報告では、海賊旗には赤や緑など様々な色があったとさえ記されている。

© Shutterstock

赤いドクロと骨の旗 -

1687年12月6日の航海日誌には、海賊がドクロと骨の模様を赤い旗に使用していたという記録が残されている。この記録には、海賊が船上ではなく陸上で旗を掲げていたことが記されている。

© Getty Images

その旗は何のためだったのか？ -

どんな船でも掲げられている旗の目的は同じだ。それは、メッセージを伝えることである。通常、その伝えられるメッセージというのは船の忠誠心を示すものだった。

© Getty Images

黒い海賊旗 -

海賊船も同じ目的で旗を使っていた。しかし、旗が伝えるメッセージは平和とはほど遠いものだった。海賊船が真っ黒な旗を掲げていた場合、それは攻撃するが抵抗がなければ寛大な処置（降伏した者の命を助ける）を与えることを意味していた。

© Getty Images

赤い海賊旗 -

しかし、抵抗があった場合、海賊は容赦がないことを示すために赤い旗を掲げた。最終的な目的は、旗を見た人々に恐怖を抱かせることだった。

© Getty Images

海賊は常に海賊旗を掲げていたわけではない -

海賊船は、通常、様々な旗を積んでおり、標的が射程距離内に入るまで偽旗を掲げたり、旗を掲げなかったりすることが多かった。標的が十分に近づくと、海賊は海賊旗を掲げて威嚇射撃を行った。

© Getty Images

海賊独自の規則 -

多くの海賊は、海賊の行動方法を規定する独自の規則、つまり「協定書」を持っていた。これらの協定の中には、海賊旗などの旗を身元と評判を確立する手段として使用することを規定したものもあった。

© Getty Images

バーソロミュー・ロバーツ -

1720年6月、ウェールズの海賊バーソロミュー・ロバーツが黒旗をはためかせてニューファンドランド島のトレパシー港に入港した。港にいた22隻の船の乗組員は全員パニックに陥り、船を放棄した。

© Getty Images

黒髭（エドワード・ティーチ） -

おそらく最も悪名高い海賊、黒髭としてよく知られているエドワード・ティーチは、心臓を指し示す槍を持った骸骨を描いた恐ろしい海賊旗を掲げていたことで知られている。

© Getty Images

ジョリー・ロジャーの名前の由来は何か？ -

ジョリー・ロジャーという名前の由来は定かではないが、印刷物でこの用語が初めて使用されたのは、1724年に出版されたチャールズ・ジョンソンの「イギリス海賊史」（現在はダニエル・デフォーの著作とされている）である。

© Shutterstock

「ロジャー」という言葉 -

「ジョリー・ロジャー」という用語は、18世紀には「オールド・ロジャー」と呼ばれることが多かった悪魔を指した「ロジャー」という言葉に由来していると考えられる。

© Getty Images

フランス起源 -

歴史家の中には、「ジョリー・ロジャー」という語は、フランス語で「きれいな赤」を意味する「le jolie rouge（ル・ジョリー・ルージュ）」に由来していると考える者もいる。これは、海賊が容赦ない意図で掲げた真っ赤な旗を指していたと伝えられている。

© Shutterstock

ブラック・バード -

また、「ジョリー・ロジャー」という用語は、通称Black Bart（ブラック・バート）としても知られる悪名高い海賊バーソロミュー・ロバーツのあだ名であるという推測もある。彼は、ドクロと骨が交差した旗を掲げていたと言われている。

© Getty Images

ジョリー・ロジャーのデザインは何を表しているのか？ -

ジョリー・ロジャーの側に描かれたドクロは、歴史的に「死の頭」と呼ばれ、死と危険を表し、海賊の恐ろしい評判を強調している。ドクロの後ろまたは下に配置された交差した骨は、争いと暴力を意味する。

© Shutterstock

ジョリー・ロジャーの種類 -

ジョリー・ロジャーの旗には、ドクロと骨のほかに、攻撃を受けた者の命が尽きつつあることを示す砂時計が描かれているものもあった。

© Shutterstock

ジョリー・ロジャーの種類 -

ジョリー・ロジャーの旗の他の種類には、ハート、剣、短剣、骸骨が描かれており、それぞれが恐怖と死の象徴となっている。悪名高い海賊フランシス・スプリッグスは、骸骨が片手にハートを持ち、もう一方の手に砂時計を持っているジョリー・ロジャーを掲げた。

© Shutterstock

名刺としての役割？ -

ジョリー・ロジャー種類の豊富さは、特定の海賊団の評判と結びつく個人的な名刺の一種として存在していた可能性がある。恐ろしい海賊団にとっては、これにより敵を簡単に降伏させることができた。

© Getty Images

名刺としての役割？ -

ジョリー・ロジャーが個人の名刺として使用された可能性はあるが、旗のモチーフは遠距離から判別することはほとんどできないため、これらの詳細は乗組員の内部的なアイデンティティのマークであった可能性が高い。

© Getty Images

ヴィクトリア朝時代 -

ヴィクトリア朝時代（1837年−1901年）までに、海賊の脅威は大幅に減少し、ジョリー・ロジャーは、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説「宝島」の影響を受けて、冒険小説の重要なシンボルとなった。

© Getty Images

現代のジョリー・ロジャー -

最近では、公海で海賊旗がはためいているのを目にすることはまずないが、英国海軍の潜水艦では100年以上も前からこの旗が掲げられている。この伝統は、海軍が批判に直面し、海賊に例えられたことから始まった。

© Getty Images

今日のジョリー・ロジャー -

今日、ジョリー・ロジャーは世界的に認知されたシンボルであり、ファッションの一部としてだけでなく、特に抗議活動の際に、権力に対する様々な形の抵抗を表すためにも使用される。

© Getty Images

スポーツ界のジョリー・ロジャー -

多くのスポーツチームがジョリー・ロジャーのバリエーションを使用していることが知らされている。南アフリカ協会のサッカーチーム、オーランド・パイレーツFCも、クラシックなジョリー・ロジャーをロゴに使用している。オーストラリアのセントラル・コースト・ユナイテッドFCもこのシンボルを紋章として使用しており、同チームのサポーターは「Graveyard：グレイブヤード（墓地）」として知られている。

出典: (Grunge) (World History) (Royal Museums Greenwich)

© Shutterstock