海で遭難した場合、人はどれくらい生き延びることができるのか？ -

海での遭難は、想像を絶する恐ろしいサバイバル体験のひとつだ。果てしなく続く海、限られた資源、風雨にさらされることで、数分が数日のように感じられ、数日が数週間のように感じられることもある。しかもそれは、幸運にも船やいかだの上で座礁した場合の話だ。浮き具なしで海で遭難すれば、生存の可能性は著しく低くなる。海で遭難した場合の死因は、溺死や脱水症状からサメの襲撃までさまざまだ。

クルーズ旅行やビーチでのレジャーを計画している方は、事前にこのギャラリーを読んで、万が一海で遭難した場合にどれくらい生き延びられる可能性があるのかを確認しておきましょう。早速ご覧ください。

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海難事故 -

毎年、約25人がクルーズ船から海に転落し、2,000人の漁師が海で行方不明になり、何万人もの海水浴客が離岸流に巻き込まれている。2023年にギリシャの移民船が沈没し、数百人が行方不明になったような悲劇的な事故は言うまでもない。

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広大な海 -

海は地球表面の70％を覆っている。海で遭難してしまうと、生存のためのあらゆる能力を奪っていく。では、海で遭難した場合、どれくらいの期間、生存できる可能性があるのだろうか？

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パニックになれば数秒しかもたない -

浮き具もなく、泳力もなく、水上での安全法の知識もないまま海に落ちた人は、溺れる危険が大きい。しかし、泳ぎの熟練者であっても、恐怖に負ければ溺れる可能性がある。

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溺水 -

パニックに陥った人は、体をのけぞらせ、叫び声を上げ、必死に空気を吸い込もうとする。本能的な溺水反応を起こし、コントロールを失い、静かに水面下に沈んでしまう。

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海深く沈む -

溺れている人は深く沈むにつれて、確実に空気を吸い込むことができなくなり、パニックが増大する。平均的な人が息を止められるのは約1分間で、それ以降は必然的に水を吸い込むようになる。水が肺を満たすと、数秒から数分で溺れる。

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冷たい水中では数分 -

どんなに冷静で経験豊富なスイマーでも、冷たい水にはかなわない。冷たい水とは21°C以下のものを指し、海の表面温度は-2～35°Cである。水は空気よりも早く体温を奪うため、低体温症になりやすい。

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低温ショック反応 -

冷たい水に浸かった人は、「低温ショック反応」も経験する。これは、皮膚が急速に冷えて体が対応できなくなり、過呼吸や心臓の緊張が起こるものだ。

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低温ショック反応とタイタニック -

歴史家によれば、タイタニック号は水温-2℃の中で沈没し、低温ショックと低体温症が数百人の命を奪った。回収された犠牲者の中には肺に水が溜まっていない者もいたため、実質的に溺死ではなかったのだ。

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基本的なウォーター・サバイバル・スキルだけで数時間 -

浮き具がなくても、基本的なサバイバル・テクニックがあれば、オープンウォーターで生き延びることは可能だ。平静を保ち、仰向けに浮き、呼吸を止め、背泳ぎができれば、救助されるまで溺れることはない。

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ライフジャケットを着る -

ライフジャケットを着用している場合は、膝を胸に入れ、できるだけ体温を逃がさないようにする「熱損失減少姿勢（Heat Escape Lessening Posture：HELP）」をとることで、低体温症を遅らせることができる。穏やかな海では仰向けで浮きながら休むのが効果的だが、波が高い海ではうつ伏せで浮くことで風や波から身を守ることができる。

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ケイ・ロングスタッフ -

クロアチアから80.5キロ離れたクルーズ船の後方から転落したケイ・ロングスタッフは、寒さを紛らわすために仰向けに浮き、歌を歌って生き延びた。彼女は救助されるまで10時間漂流した。

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暖かい海水なら浮き輪なしで3日間 -

21℃以上の水中では、低体温症の心配は少ないが、最終的には脱水、疲労、低血糖が意識を保つ能力に影響する。立ち泳ぎの世界記録は85時間だが、平均的な人は一度に2～3時間しか続けられない。

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水の重要性 -

海水に囲まれてはいるが、真水の不足は海で漂流した際の生存に対する最大の脅威のひとつである。海水に浸かると急速に脱水症状が進むだけでなく、海水を飲むと、体内の水分を使って余分な塩分を洗い流さなければならないため、死に至る可能性がある。

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人間の身体に必要な水の量は？ -

人間の身体は1日に2.7～3.7リットルの水を必要とし、運動時には1時間に3～4リットルも失われるため、海上では常に水分補給との戦いとなる。

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イカダがあれば3～5日 -

水から出て休むことができると、低温ショックの危険が軽減され、体温の損失速度が遅くなり、継続的な体力消費が減ってエネルギーの節約が可能となる。

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絶望的な状況では何でもする -

2022年、イワンという名の男性が、ギリシャ沖で18時間漂流し、頭を水面上に浮かせるために、空気の抜けかけたボールを使って生き延びた。

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脱水 -

水がなければ、生存は深刻なものになる。平均的な人は3～4日間水分補給なしで過ごすことができるが、発汗量によってはこの期間は短くなる。

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乗り物と水があれば数週間から数か月 -

救命いかだや転覆したボートのような適切な乗り物があれば、人は生き延びる可能性が高くなる。表面が乾いていれば、低体温症や溺死の直接的なリスクが軽減され、休息しやすくなる。また、船上の資材は雨水を集めるなど、便利な道具にも変身する。

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タミー・オールダム・アシュクラフト -

1983年10月、タミ・オールダム・アシュクラフトはカテゴリー4のハリケーンでボートが転覆し、海で遭難した。彼女は41日間漂流し、ボロボロの帆1枚と限られた食料、そして六分儀を頼りにハワイへの航路を確保した。

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飢餓 -

人間の体は水なしで2、3日しか生きられないが、食料なしでも1カ月から3カ月は生きられる。しかし海で遭難した人のほとんどは、それほど長くは生きられない。

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海洋生物についての知識があれば、より長く生き延びられるかも -

海洋生物に関する知識を持つことは、海で遭難した人に有益である。サメを引き寄せる可能性のある動きや不必要な騒音を避けたり、危険な反応を引き起こす可能性のあるハコクラゲのような生物に近づかないようにできれば、人の命を長らえることができる。

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サメに襲われないために -

サメは攻撃する前に水中を旋回したり、物をぶつけたりするので、攻撃をどのように迎え撃つかを知っておくことは不可欠である。目やエラを蹴るだけで十分な抑止力になることが多い。

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スティーブン・キャラハン -

スティーブン・キャラハンはヨットが沈没し、大西洋で76日間漂流した。試練の間、彼は魚を捕ったり雨水を飲んだりして生き延びた。また、周囲の海の生物を利用して鳥を引き寄せ、それがさらなる食料源となり、最終的には彼を発見した漁師たちによる救助につながった。

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食料、水、丈夫な船があれば数ヶ月 -

風雨を避け、食料と水を確保できる最新の救命いかだのような頑丈な船であれば、船が浮いてさえいれば、漂流者は長時間生き延びることができる。

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幸運と創造性と備品があれば1年 -

海で遭難した人が1年間漂流生活を生き延びるためには、食料と水を効率よく確保しなければならない。ビニール袋から長靴に至るまで、雨水をためることができる何かが必要だ。9カ月間漂流したメキシコの漁師、ヘスス・ビダナ、ルシオ・レンドン、サルバドール・オルドネスは、エンジンの部品で釣り竿まで作った。

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持続可能な設備があれば数年 -

もしあなたが丸1年間、海で遭難し、ひどい健康状態や死の淵に立たされていないのなら、さらにもう1年やり遂げることは可能だ。漁師のホセ・サルバドール・アルバレンガは、438日間漂流した後、ようやく泳いでい陸にたどり着いた。

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ホセ・サルバドール・アルバレンガ -

アルヴァレンガは2022年、嵐のために太平洋で遭難した。アルヴァレンガは雨水を溜め、ウミガメや鳥、魚を食べ、なんとかボートを浮かべていた。

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理論上、永遠に可能 -

浮力のある船、十分な食料と水の供給源、必要なビタミン、定期的な運動ができれば、理論的には、人はいつまでも海で遭難し続けることができる。

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一瞬で終わる可能性もある -

しかし、激しい嵐や荒波、深刻な健康上の緊急事態が発生すれば、あなたの人生はあっという間に終わってしまうかもしれない。

出典: (Grunge) (BBC) (Stop Drowning Now)

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