ロンドンのロイヤル・パーク（王立公園）を探索 -

ロンドンには、ロイヤル・パークと呼ばれる一連の緑のオープンスペースがある。これらの公園は、元々英国王室が王室のレクリエーションのために所有していたが、現在は自由にアクセスできる公共の土地として機能している。ロンドン市内および近郊には8つのロイヤル・パークはあり、ケンジントン・ガーデンズ、ハイド・パーク、グリーン・パーク、セント・ジェームズ・パークがロンドン中心部のほぼ連続した「緑の肺（グリーン・ラング）」を形成している。リージェンツ・パークも中心部にあり、グリニッジ・パーク、リッチモンド・パーク、ブッシー・パークは郊外にある。

ギャラリーをクリックして、王室の承認を受けたロンドンの公園を探索してみよう。

© Shutterstock

ハイド・パーク -

ハイド・パークは、ヘンリー8世によって1536年に狩猟場として設立され、1637年に正式に一般公開された。首都の中心部に位置するこの公園は、ロンドン中心部にある王立公園の中で最大のものである。

© Shutterstock 

レジャースペース -

この公園はロンドンで最も有名な緑地の一つで、毎年何百人もの観光客が散歩を楽しんだり、ピクニックを楽しんだり、市内中心部の観光に参加したりする機会を提供している。

© Shutterstock 

スピーカーズ・コーナー -

ハイド・パークは抗議活動の場として長い歴史があり、現在でも集会や行進が行われている。スピーカーズ・コーナーは、屋外での演説、討論、議論が許可されている場所だ。1800年代半ばから、人々はここで意見を表明してきた。日曜日の朝に訪れて、あらゆる階層の人々が意見を述べるのを聞いてみよう。写真は1930年代の様子である。

© Getty Images 

ウェリントン・アーチ -

建築家デシマス・バートン（1800−1881年）が設計したこのランドマーク的な凱旋門は、ハイド・パーク・コーナーの中心を成しており、ウェリントン公爵の巨大な騎馬像にちなんで名付けられた。しかし、1912年に青銅製のクアドリガ（古代の4頭立ての馬車）に置き換えられた。この凱旋門は内部が空洞になっており、1992年までロンドンで最も小さな警察署が置かれていた。内部には3階にわたって、この建物の歴史を詳しく知ることができる展示がある。

© Shutterstock

ロットン・ロウ -

ハイド・パークのロットン・ロウは、17世紀末にウィリアム3世によって、ケンジントン宮殿からセント・ジェームズ宮殿まで君主が通行するのに使われた広い道として建設された。この広い通りは、フランス語で王の道を意味するルート・デュ・ロワと呼ばれていたが、やがて「ロットン・ロウ」に訛って変化した。現在は、乗馬用の馬道として整備されている。

© Getty Images

コンサート会場 -

1968年、ハイド・パークで最初のロックコンサートが開催され、この公園で世界クラスのイベントやライブミュージックが開催されるようになった。この時のトップミュージシャンはピンク・フロイドだった。翌年、ローリング・ストーンがコンサート（写真）を開催し、「ザ・ストーンズ・イン・ザ・パーク（ハイドパーク・フリーコンサート）」として知られるようになった。もう一つの有名なコンサートは、2005年のLive 8（ライブエイト）コンサートである。

© Getty Images 

マーブル・アーチ -

マーブル・アーチは、ハイド・パークの北東隅の儀式用の入り口として立っている。ジョン・ナッシュ（1752−1835年）によって設計されたこのアーチは、もともとバッキンガム宮殿にあった。しかし、1851年に現在の場所に移された。マーブル・アーチを通過できるのは、王室メンバーと王立騎馬砲兵隊だけと言われおり、儀式の行列の際に通過する。

© Shutterstock 

ケンジントン・ガーデンズ -

ハイド・パークのすぐ西にケンジントン・ガーデンズがある。かつてはケンジントン宮殿の私有庭園だったこの公園は、ロンドンの歴史的な王立公園の一つである。

© Shutterstock

ケンジントン宮殿 -

17世紀以来英国王室の住居となっているケンジントン宮殿は、かつてはチャールズ皇太子とその妻ダイアナ妃の住居だった。夫妻の息子ウィリアムとハリーは宮殿で育った。現在、ステート・アパートメントは一般公開されている。

© Shutterstock 

ピーター・パン像 -

この公園は、スコットランドの劇作家で小説家のジェームス・マシュー・バリーの著書「ケンジントン公園のピーター・パン」の舞台である。この本と登場人物の両方を記念して、1912年にブロンズ像が建てられた。

© Shutterstock 

サーペンタイン・ギャラリー -

ケンジントン・ガーデンズの文化的魅力は、世界クラスのサーペンタイン・ギャラリーである。サーペンタイン・ギャラリーは、サーペンタイン湖の近くにある2つの現代アートギャラリーである。この2つのギャラリーの名前の由来となっているのもその湖である。ここで作品が展示された著名なアーティストには、アンディ・ウォーホル、ポーラ・レゴ、ダミアン・ハースト、ジェフ・クーンズなどがいる。

© Getty Images 

アルバート記念碑 -

ロイヤル・アルバート・ホールの向かいの公園に針のようにそびえ立つのが、アルバート記念碑である。1861年に無くなった最愛の夫アルバート王子を偲んでヴィクトリア女王が建造を命じたこの豪華なパビリオンは、1872年に未亡人となった女王によって落成された。記念碑の土台を飾るのは、パルナッソスのフリーズだ。これは、歴史上の作曲家、建築家、詩人、画家、彫刻家たちの等身大の彫刻169体で、低浮き彫りと高浮き彫りが混在している。毎月第一日曜日には一般公開の午後ツアーが開催され、訪問者はこの素晴らしい芸術作品を間近で見ることができる。

© Shutterstock 

リージェンツ・パーク -

摂政ジョージ4世に因んで名付けられたリージェンツ・パークは、ロンドン中心部の北西の高台にあり、主にオープンパークで、さまざまな施設やアメニティが備わっている。公園の北側にはプリムローズ・ヒル（写真）があり、訪れる人々にロンドンのロマンチックな景色を堪能できる。

© Shutterstock

ロンドン動物園 -

リージェンツ・パークは、おそらくロンドン動物園があることでよく知られている。1828年にオープンしたこの動物園は、世界最古の科学動物園である。670種を超える19,250頭を超える動物を飼育しており、英国最大の動物園の一つである。

© Shutterstock 

野生動物保護区 -

この動物園は、その歴史を通じて、多くの有名な動物たちが暮らしてきた。この感動的な斜視は、1864年から1870年の間に撮影された、南アフリカで1800年代後半に狩猟により野生絶滅したシマウマに似た種であるクアッガの生きた姿を映した数枚の写真のうちの一つである。

© Public Domain 

建築の卓越性 -

リージェンツ・パークの両側には19世紀のタウンハウスの素晴らしい例が建ち並んでいる。そのほとんどは前述のジョン・ナッシュとデジマス・バートンによって設計され、デシマスの不動産開発業者である父のジェームズによって建てられた。これらは英国で最も高級で高価な個人住宅の一部である。

© Shutterstock

リージェンツ運河 -

公園の北橋を流れるリージェンツ運河は、グランド・ユニオン運河とロンドンの歴史的なドックを結んでいる。写真は、古い曳舟道の脇に停泊しているナロウボートと呼ばれる船である。

© Shutterstock 

リッチモンド・パーク -

リッチモンド・パークは、17世紀にチャールズ1世によって鹿公園として造られ、ロンドンの王立公園の中で最大の公園である。市内中心部の南西に位置し、面積は955ヘクタール、つまり2,360エーカー（約9.55平方キロメートル）である。これはニューヨークのセントラル・パークの約3倍の広さだ。

© Shutterstock 

雄大な野生動物 -

現在、公園内には約630頭のアカシカとダマジカが生息しており、公園の境界内の大部分を自由に歩き回っている。公園は他の野生動物の避難所でもあり、国立自然保護区、特別科学的関心地域、特別保護地域に指定されている。

© Shutterstock 

イザベラ・プランテーション -

リッチモンド・パーク内にあるこの森林庭園は、19世紀初頭に作られた。現在は有機栽培で多種多様な動植物が育っており、この農園自体が観光客の目玉となっている。

© Shutterstock 

ホワイト・ロッジ -

野生動物の楽園として国内外で有名なリッチモンド・パークは、歴史的建造物や登録建造物が数多くあることでも有名である、その中には、ジョージ2世のために建てられた狩猟小屋、ホワイト・ロッジ（写真）がある。現在はロイヤル・バレエ・ロウワースクールがここにある。

© Shutterstock

セント・ジェームズ・パーク -

セント・ジェームズ・パークは、初期キリスト教の人物である聖ジェームズ小（小ヤコブ）を祀ったハンセン病病院にちなんで名付けられ、1603年のジェームズ1世の即位にまで遡る。

© Shutterstock

ペリカン・パーク -

この公園は西はバッキンガム宮殿、北はザ・マル、東はホース・ガーズ、南はバードケージ・ウォークに囲まれている。1664年にロシア大使がチャールズ2世に最初のペリカンを寄贈して以来、公園にはペリカンの群れ（写真）が生息しており、公園管理人が定期的に餌を与えている。

© Shutterstock 

ダック・アイランド・コテージ -

セント・ジェームズ・パークを散策中に、ダック・アイランド、コテージに注目しよう。現在ロンドン・ガーデン・トラストの本部となっているこのコテージは、もともとウィリアム3世によってティーハウスとして建てられた。トラストは、ロンドンの公園、広場、コミュニティガーデン、墓地、教会の墓地に興味のある人を対象に、講演会、ウォーキング、ガイド付き見学、勉強会などを開催している。

© Shutterstock

グリニッジ・パーク -

ロンドン南東部のグリニッジ・パークは、グリニッジ世界遺産の一部である。テムズ川、ドッグ島、ロンドン市の素晴らしい景色を眺めることができる。

© Shutterstock 

グリニッジで過ごす時間 -

15世紀、この公園は主に荒地だった。ヘンリー8世とジェームズ1世は、この公園の建設に携わった。1675年、チャールズ2世は王立天文台の建設を命じていた。この天文台は天文学と航海の歴史において重要な役割を果たし、本初子午線が通っていることから、グリニッジ標準時の名前の由来にもなった。

© Shutterstock 

グリニッジ天文台 -

王立天文台は現在、ほぼ完全に博物館として維持されている。天文学や航海に使われた道具の展示品には、精密な計時の歴史を記録した珍しい工芸品が含まれている。

© Shutterstock 

国立海事博物館 -

グリニッジ・パーク内には国立海事博物館もある。展示品には、地図、原稿、船の模型や設計図、ホレーショ・ネルソン海軍中将やジェームズ・クック船長に関する絵画などの海事美術などがある。

© Public Domain 

グリーン・パーク -

グリーン・パークはハイド・パークとセント・ジェームズ・パークの間にあり、ほぼ全体が成木でできている。ロンドン中心部の公園の中では、湖や建物がないのが特徴である。しかし、バッキンガム宮殿（写真）の雄大な間近の眺めを楽しむことができる。

© Shutterstock 

カナダ・ゲート -

華やかなカナダ・ゲートは、ビクトリア女王を称える大規模な記念事業の一環としてカナダが献納したグリーン・パークへの入り口である。

© Shutterstock 

緑豊かな環境 -

グリーン・パークは、ハイド・パークやセント・ジェームズ・パークと共に、手入れの行き届いた緑地がほぼ途切れることなく続いている。18世紀後半、この半田園地帯は盗賊や泥棒の溜まり場として悪名高い場所になった。19世紀を通じて、気球飛行や花火大会の人気スポットとなった。

© Shutterstock 

ブッシー・パーク -

2番目に大きい王立公園であるブッシー・パークは、ヘンリー8世のお気に入りの住居であったハンプトン・コート宮殿（写真）のすぐ北にある。公園に名前を付け、鹿狩りの場として使用したのは君主であった。後に王室のスポーツの会場となった（現代のホッケーのルールは、主にブッシーで考案された）。

© Shutterstock 

ダイアナの噴水 -

公園の目玉はダイアナの噴水である。サー・クリストファー・レン（1632-1723年）が設計したこの彫像と噴水は、ローマ神話の女神ダイアナを讃えるものだ。

© Shutterstock 

ロイヤル・パークでの体験 -

ブッシー・パークを探索するなら、野生動物保護区や、景観を彩る樹木やその他の植物の植栽を探索することが大切である。ほとんどの観光客は、ここでの一日の行楽と宮殿のガイド付きツアーを組み合わせている。これは、王室の公園を体験するのに最適だ。

出典: (Speakers' Corner Trust) (London Gardens Trust)

© Shutterstock