連続殺人犯に関するよくある誤解 -

実録犯罪メディアのファンなら、連続殺人犯という概念に詳しいだろう。近年、このジャンルのシリーズが急増している。マインドハンター』から『ダーマー - モンスター： ジェフリー・ダーマー・ストーリー」など、近年の連続殺人犯の悲劇的なストーリーは、私たちをスクリーンに釘付けにしている。

しかし、実録犯罪シリーズや映画は（その理由はここでは述べないが）面白い一方で、連続殺人犯やその犯行方法に関する一般的な誤解を広める傾向がある。このことを念頭に置いて、このギャラリーで連続殺人犯に関するよくある誤解をみていきましょう。

© Getty Images

すべての連続殺人犯は並外れた知性を持っている -

しかし、連続殺人事件の際に実施されたIQテストによれば、連続殺人犯の平均IQは95前後であり、「正常」範囲（90〜110）の中間から下限にあたる。

© NL Beeld

すべての連続殺人犯は並外れた知性を持っている -

連続殺人犯の多くは、強迫観念が強いために犯行を隠蔽できると考えられている。しかし、だからといって彼らが特別に知的だというわけではない。

© NL Beeld

すべての連続殺人犯には何十人もの犠牲者がいる - 実録ドキュメンタリーを観て連続殺人犯について学ぶと、その全員が何度も何度も殺人を繰り返し、被害者のリストは山のようにあると思いがちだ。

© Shutterstock

すべての連続殺人犯には何十人もの犠牲者がいる -

しかし必ずしもそうとは限らない。FBIの連続殺人犯の定義によれば、犯人は最低2人を、別々の機会に、冷却期間を置いて殺害する必要がある。

© Shutterstock

すべての連続殺人犯には何十人もの犠牲者がいる -

この定義に従えば、連続殺人犯は想像以上にたくさんいることになる。ただ、より多くの犠牲者を出した殺人鬼が注目を集める傾向があるだけだ。

© Getty Images

連続殺人犯はみんな狂っている -

すべての連続殺人犯が何らかの形で精神に異常をきたしていることは広く認められているが、それは臨床的に精神異常であることとは違う。実際、臨床的に精神異常と認められる殺人犯はごく少数である。たとえばソシオパシーやサイコパシーなどの人格障害を持つ連続殺人犯は、共感や自責の念に欠けるかもしれないが、それでも善悪の区別はつく。

© Shutterstock

連続殺人犯はみんな狂っている -

心神喪失の抗弁が法廷で成立するためには、被告人が犯罪を犯した際に、その行為の重大性を理解することが精神的に不可能であったことを示す必要がある。

© Shutterstock

連続殺人犯は止められない -

連続殺人犯はしばしば、その犯罪に溺れるようにメディアに描かれる。彼らは一度殺人を犯すと、その味を覚え、その後は止められなくなるように描写される。

© Shutterstock

連続殺人犯は止められない -

一部の連続殺人犯はそうかもしれないが、すべての連続殺人犯がそうであるわけではない。連続殺人犯の中には、殺人習慣をやめ、殺人を過去のものとすることができる者もいる。

© Getty Images

連続殺人犯は止められない -

たとえば、BTKキラーとして知られるデニス・レーダーは、1974年から1991年の間に10人を殺害したが、その後はやめてしまったようだ。彼は2005年に逮捕され、判決を受けた。

© Getty Images

すべての連続殺人犯の動機は性的なものにある -

私たちはしばしば、すべての連続殺人犯は性的衝動に突き動かされていると考える。これはおそらく、最も有名な殺人鬼の多くが被害者を性的虐待していたという事実と関係があるだろう。

© Getty Images

すべての連続殺人犯の動機は性的なものにある -

しかし現実には、連続殺人犯の凶悪犯罪には別の動機があることもある。例えば、貪欲はよくあることだ。

© Getty Images

すべての連続殺人犯の動機は性的なものにある -

たとえば、19世紀末のシカゴには、連続殺人犯のH・H・ホームズがいた。彼は被害者に保険をかけて、その保険金で殺人を犯し、一攫千金を狙っていた。

© Getty Images

連続殺人犯はみんな孤独な人間 -

連続殺人犯が普通の社会人として存在していることを想像するのは難しいかもしれないが、実際には彼らの大半は普通の社会人をしている。

© Getty Images

連続殺人犯はみんな孤独な人間 -

あるFBIの報告書によれば、「連続殺人犯の大半は、引きこもりで社会不適合者の一人暮らしではない」。彼らの多くは周囲に多くの人がいて、何も疑わなれていなかった。

© Shutterstock

連続殺人犯はみんな孤独な人間 - 実際、一部の連続殺人犯は二重生活を送っていたために、犯罪を密かに犯し、長い間逃げ切ることができたのだ。

© Getty Images

連続殺人犯はすべて男性である -

殺人犯、つまり連続殺人犯の大半が男性であることは間違いない。過去150年間で、最も有名な殺人鬼はほとんどすべて男性である。

© Getty Images

連続殺人犯はすべて男性である -

しかし、女性の連続殺人犯がいないというわけではない。フロリダ州立大学とカリフォルニア法医学大学院の専門家による2015年の報告によれば、アメリカの連続殺人犯の約16％は女性だという。

© Getty Images

連続殺人犯はすべて男性である -

過去の事例を見ると、女性の連続殺人犯は被害者を毒殺する傾向が高く、2人組やチームで行動する傾向も高い。

© Getty Images

連続殺人犯の犯罪プロファイリングは有効である -

『マインドハンター』のようなテレビ番組は、犯罪プロファイリング（捜査官が殺人現場を分析して犯人の個人的特徴を割り出す活動）が効果的であるという誤解に大きく依存している。

© NL Beeld

連続殺人犯の犯罪プロファイリングは有効である -

しかし、『Criminal Justice and Behavior』誌の2007年のメタ分析によれば、犯罪者プロファイラーが犯罪者の特徴を推測する能力は、一般人よりもわずかに優れているに過ぎない。

© NL Beeld

連続殺人犯の犯罪プロファイリングは有効である -

実際、犯罪者プロファイリングは警察の時間と資源の無謀な誤用として批判されてきた。

© NL Beeld

連続殺人犯の手口は変わらない - MO（手口）というと、多くの人は連続殺人犯が犯行に及ぶ際のそれは変わらないと思い込まれている。

© Shutterstock

連続殺人犯の手口は変わらない -

私たちはしばしば、ある連続殺人犯がひとつの犯行方法を選び、すべての殺人にそれを貫き通すと考がちだ。

© Shutterstock

連続殺人犯の手口は変わらない -

しかし、FBI捜査官で行動分析官のジョン・ダグラスによれば、連続殺人犯の手口は、犯人が活動を続けるにつれて進化、進行すると考えるべきだという。

© Shutterstock

連続殺人犯は深刻な脅威 -

実録犯罪のドラマ等をたくさん見ていると、どこにでも連続殺人犯がいるのではないかと心配になるかもしれない。現実には、連続殺人犯は一般人にとって本当の脅威ではない。

© Shutterstock

連続殺人犯は深刻な脅威 -

FBIによると、連続殺人犯はアメリカでの殺人事件の1％未満で、2015年の連続殺人事件の被害者はわずか30人だった。

© Shutterstock

連続殺人犯は深刻な脅威 -

悲しいことに、殺人事件の被害者の大半は、血に飢えた無差別殺人者ではなく、知り合いに狙われているのだ。

出典: (YouTube)

© Shutterstock