公海地域上の無法状態
人間はしばしば時間を当たり前のものと考えがちだ。1秒1秒を生き、時間を時間単位で計り、それを中心に人生を計画する。時間は直線的で連続的に感じられるが、時間とは一体何か？時計の針が刻む音、太陽の昇り沈み、過ぎ去っていく瞬間の流れなのだろうか？それとも、もっと深く、奇妙なもの、全く「流れ」のない何かなのだろうか？
もし、子供の頃の思い出、今日の日常、そしてまだ想像もしていない出来事など、あらゆる瞬間が、まだ半分しか読んでいない本のページにすでに書かれているように、同時に存在しているとしたらどうだろう？単純な好奇心から始まったものが、現実の仕組みを深く解き明かすきっかけへと繋がる。哲学的な問いが科学理論と出会い、「前」と「後」という馴染みのある概念が、議論の余地なく扱われるようになる。
その中間地点で、私たちは時間そのものについてだけでなく、時間の中で生きることの意味についても考えさせられる。興味をそそられたら、このギャラリーをクリックして、時間そのものの構造と謎を解明しよう。
宇宙を、子供が絵を描いているところだと想像してみよう。それぞれの絵は、凍りついた一瞬を象徴している。これたの絵が次々と重なり、私たちが時間の経過として認識するものが生まれる。まるで映画のワンシーンのように、一つの瞬間が次の瞬間へと続いていくのだ。
普段の経験では、現実に感じられるのは今この瞬間だけだ。過去は記憶の中に消え去り、未来はまだ訪れていない。まるで今この瞬間だけが映し出され、他のすべてが消え去っていく映画を見ているかのようだ。
さあ、子供がすべての絵を描き終えて積み上げているところを想像してみよう。時間の流れではなく、積み木、つまり、これまで存在した、そしてこれから存在するであろうすべての時間を内包する一つの構造が出来上がる。時間は彫刻のように空間へと昇華する。
もしすべての瞬間がこの「積み木」の中に存在するならば過去、現在、未来の区別は消滅する。それらはすべて等しく現実であり、単なる記憶や予言ではなく、宇宙の現実に存在する一部なのだ。
人間は常に「今」しか経験できないため、本能的にそれが唯一の本当の瞬間だと信じている。しかし、この認識は誤解を招く可能性がある。科学は、私たちの「今」という感覚は私たちの限られた視点の産物であり、必ずしも普遍的な真実ではない可能性を示唆している。
1900年代初頭、アルベルト・アインシュタインは相対性理論を提唱した。これは、時間と重力がどのように調和して作用するかを説明しようとするものだ。彼の理論は、時間と空間を時空という一つの構造に融合させることで状況を一変させ、空間の移動が時間の移動に影響を与えると主張した。これにより、時間は私たちが考えていたほど絶対的ではないことが分かる。
普遍的な現在は存在しない。むしろ、あなたがどこにいて、どれだけの速さで動いているかによって、無数の「今」が存在する。ある人にとって現在と感じらるものが、別の人にとって過去や未来かもしれない。相対性はそれらすべてを許容する。
100万光年彼方の宇宙船を3隻想像しよう。1隻は宇宙空間に制止したまま漂い、あなたの「今」を共有している。もう1隻は地球から飛び立ち、その「今」は地球の過去と一致している。3隻目の宇宙船は地球に向かっており、その「今」は私たちの未来と一致している。3隻とも現実なのだ！
さて、それぞれのエイリアンの宇宙船が、瞬間的なインターネット接続を使用して地球と仮想敵に通信できると想像してみよう。1つは現在と、1つは1925年のあなたの先祖と、そして1つは2125年のあなたの子孫と通信できる。相対性理論は、視点に応じて異なる時間が共存できることを示している。
アインシュタインの相対性理論は、いかなる観測者も特権的な視点を持たないと主張している。つまり「今」のあらゆるバージョンは等しく正しいのだ。この宇宙の民主主義は、去、現在、そして未来が同時に存在しなければならないことを私たちに受け入れさせる。
この解釈によれば、私たちは劇中の役者のように時間の流れを追うのではなく、これから起こるすべての出来事がすでに存在していると解釈される。宇宙は動的なものではなく、凍りついた存在であり、巨大な宇宙の氷山のように不変で、完全で、永遠なのだ。
何かが到達不可能だからといって、それが非現実的であるとは限らない。私たちは観測可能な地平線の彼方に銀河が存在することを認めている。同様に、たとえ未来をまだ体験できなくても、氷山のような宇宙においては、それは現実であるかもしれない。
もし未来が存在するなら、それは既に決定されているはずだ。これは、私たちが自らの道を選び、変えていくという経験と矛盾し、科学の時間について述べていることと、私たちが自らの主体性について感じていることとの間に緊張を生み出している。
人々は常に、本を読むかインターネットをスクロールするかといった選択によって、自らの未来を積極的に形作っていると感じている。しかし時間が固定されているなら、その決定さえもビッグバンの時点でなされており、自由意志の余地は残っていない。
量子物理学の登場により、決定論は揺らぎ始める。古典システムとは異なり、量子現象は根本的に予測不可能である。無知ゆえにランダムに起こるのではなく、本質的に不確実であり、宇宙でさえ正確に予測することはできない。
放射性原子は今崩壊するかもしれないし、100万年後に崩壊するかもしれない。確率は計算できるが、結果は計算できない。この内在するランダム性は、未来が完全には決まっていないことを示唆している。未来は決定論的ではなく、確率的なのだ。
量子粒子は連鎖反応を引き起こし、世界を変える可能性がある。たった一つの崩壊が動物の当然変異を引き起こし、奇妙な新生命体が誕生したり、あるはそもそも存在を阻止したりする可能性がある。このランダム性は歴史の流れを変えるのだ。
もし未来がランダムな量子事象に依存するならば、未来は不変のものとして確定することはできない。そして未来が予め決定されていないならば、過去と同じように共存することはできない。これは、時間のすべての層が積み重なっているという考えに疑問を投げかける。
地球全体の「今」は捉えどころのないものだが、宇宙のあらゆる物体（人間であれ原子であれ）には、それぞれ独自の時系列がある。あなたは間違いなく、誕生から死までの間に存在している。その意味で、あなた自身の「今」は完全に明確である。
あらゆる相対性と偶然性があっても、一つだけ確かなことがある。それは、生まれる前に死ぬ人はいないということだ。私たちの個人的な時系列には秩序があり、それがすべての存在に一貫性と意味のある構造を与えている。
宇宙全体の時間を定義するのをやめ、ただ局所的な経験に焦点を当てれば、すべてが簡単になる。あなたにとっての「今」は現実だ。すべての人、すべての物には独自の時間の流れがあり、どれも同じように価値がある。
しかし、もし子供が描いた積み重なった絵の塊について、私たちが間違っていたらどうなるだろう？もしかしたら、そこには未来は描かれていないのかもしれない。もしかしたら、そこには過去と、現在を表す薄くて凹凸のある表面層しかなく、それが新たな出来事が起こるたびにどんどん大きくなっていくのかもしれない。
現在の表面は滑らかではなく、むしろ荒々しく、ざらざらとした質感を帯び、「今」という無数の個々の経験によって形作られるだろう。こうした個々の瞬間の一つ一つが時間の先端の形成に貢献し、全体として宇宙のタイムラインを作り上げていくのだ。
私たちは、制止した積み木ではなく、成長する積み木宇宙に住んでいるのかもしれない。不確かな出来事が確かなものになるにつれ、過去に新たな瞬間と新たなベージが加えられる。放射性原子は崩壊し、人々は選択を行い、歴史は1秒ごとに書き綴られていく。
この時間のバージョンでは未来はまだ現実ではないため、選択肢は存在する。タイムラインはあらゆる決断、あらゆる事故、あらゆる量子的な驚きとともに伸びていく。誰もが、たとえ繊細な決断であっても、未来を変えることができるのだ。
時空のどこかに恐竜は今も実在しているのだろうか？未来の火星コロニーは既に建設されているのだろうか？理論によってはイエス、ノー、あるいは多分。答えは時間の存在をどのように考えるか（そもそも存在するかどうかは別として）によって異なる。
正直なところ、誰も明確な答えを持っていない。時間は科学において最も難解な概念の一つであり続けている。時間を説明する方法は複数あるが、どれも完全に証明されておらず、普遍的に受け入れられているわけではない。それは今もなお謎のままだ。
時間は宇宙の基本的な構成要素ではないかもしれない。熱が分子運動から生じるように、時間はより深く隠れた相互作用から生まれるのかもしれない。生命、意識、そして時間はすべて、複雑さから生まれた幻想なのかもしれない。
たとえ時間が捉えどころのないままであっても、私たちが理解している宇宙は広がり、そしてさらに多くのものが発見されるのを待っている。学び、探求する時間はまだある。もしかしたら、あなたは既に知るべきことはすべて学んでいて、今のあなたの体はそれに追いついているだけなのかもしれない。
出典: (Kurzgesagt) (Britannica) (Scientific American)
時間の逆説：未来はすでに起こったことなのか？
時間は実在しないかもしれない
ライフスタイル 科学
人間はしばしば時間を当たり前のものと考えがちだ。1秒1秒を生き、時間を時間単位で計り、それを中心に人生を計画する。時間は直線的で連続的に感じられるが、時間とは一体何か？時計の針が刻む音、太陽の昇り沈み、過ぎ去っていく瞬間の流れなのだろうか？それとも、もっと深く、奇妙なもの、全く「流れ」のない何かなのだろうか？
もし、子供の頃の思い出、今日の日常、そしてまだ想像もしていない出来事など、あらゆる瞬間が、まだ半分しか読んでいない本のページにすでに書かれているように、同時に存在しているとしたらどうだろう？単純な好奇心から始まったものが、現実の仕組みを深く解き明かすきっかけへと繋がる。哲学的な問いが科学理論と出会い、「前」と「後」という馴染みのある概念が、議論の余地なく扱われるようになる。
その中間地点で、私たちは時間そのものについてだけでなく、時間の中で生きることの意味についても考えさせられる。興味をそそられたら、このギャラリーをクリックして、時間そのものの構造と謎を解明しよう。