実際に何が起こったのか調べてみよう
良質な睡眠をとると、翌日気分が良くなることは周知の事実である。私たちは皆、一晩の殆どを眠れずに過ごし、だるく不機嫌な朝を迎えたという経験があることだろう。しかし、専門家は今、翌日のリフレッシュ感は睡眠の質や量だけで決まるわけではないと考え始めているそう。なんと、睡眠に対する考え方も影響している可能性があるというのだ。
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しかし、目覚めた時にリフレッシュしているかどうかは、睡眠の質や量だけで決まるわけではないことを示す研究が活発になされている。
というのも、実際に眠る前と後の両方において、私たちが睡眠についてどう考えるかが、疲れの感じ方に大きな影響を与える可能性があるのだ。
マインドが睡眠に直接影響するという考え方は、新しいものではない。何十年もの間、科学者たちは心理的なものが不眠症の主な要因であることを知っていた。
確かに、思考や信念、あるいは集中力によって心理状態を高揚させると、睡眠は妨げられる。
しかし、今では「逆説的不眠症」と呼ばれる現象に注目する研究者が増えている。
この現象は、ある人が「よく眠れなかった」と思い、疲労を感じているにもかかわらず、客観的に測定すると睡眠時間は正常範囲内であるようなことをいう。
研究によると、これは私たちが考えている以上に一般的なことかもしれない。実際、不眠症の症例の66%を占める可能性がある。
専門家は、逆説的不眠症の潜在的な原因のひとつとして、睡眠の重要性や、自分が必要な睡眠時間について、頑固な考え方を持っていることを挙げている。
実際、友人や家族に、１晩に何時間眠る必要があるかを尋ねると、おそらく決まった時間数、あるいは少なくとも時間数の範囲を答えてくるだろう。
これは驚くことではない。780億米ドル規模にもなる睡眠産業は、人々が一定時間の睡眠を絶対に必要だと信じてやまないことに依存している訳だ。
しかし、この考え方に異議を唱え、睡眠は状況の変化に適応できる動的なものだという研究者が増えている。
それでは、睡眠に対する考え方を変えることで、より良い睡眠を得られるようになる方法を見てみよう。まず、ほとんどの不眠症患者が、睡眠について偏った考えを持っていることについて考えてみる。
彼らは、翌日を元気に過ごすためには一定の睡眠時間が必要だと考えていることが多く、質の悪い睡眠を非常に恐れていることも。
このような考えは、夜間の心理的興奮や不安を高め、その結果、入眠を難しくする。
しかし、こうした考えは必ずしも事実と一致しているわけではない。実際、不眠症に悩む多くの人々は、現実的に必要な睡眠時間よりも多くの睡眠が必要だと信じている。
このため、従来の不眠症治療では、認知行動療法を用いてこの考え方を変えようとする試みに重点が置かれてきた。
さらに、米国在住の睡眠専門家ジェイソン・オン氏によると、眠りにつくのが難しいと感じるのは、睡眠に対する特定の考え方だけが原因ではない。
むしろ、それらの信念をどれだけ強く抱いているかも重要であるようだ。睡眠に対する考えに固執すればするほど、睡眠はますます妨げられる。
そのため、オン氏は、人々がこうした考えから自分を切り離すのを助ける、マインドフルネスに基づくアプローチの研究をしている。
また、睡眠にこだわり過ぎると、実際には問題なく眠れていたとしても、翌日に疲れを感じやすくなるという研究結果もある。
例えば、ある不眠症の研究では、参加者は研究者がスマートデバイスから抽出したと伝えた睡眠データを与えられた。
参加者の半分にはデータから「よく眠れた」と伝え、残りの半分には「よく眠れなかった」と伝えた。しかし、実際にはデータは偽物であった。
このような研究は、たとえ客観的には睡眠の質が変わらなくても、睡眠に対する姿勢を変えるだけで、疲れを感じにくくなる可能性を示唆しているようだ。
もちろん、私たちが皆、有害なポジティブ思考を身につけるべきだということではない。これは、睡眠に対して柔軟な姿勢を取るべきだというだけの話だ。
たとえ一晩の睡眠が最良でなかったとしても、それでも一日を過ごし、普段通りの生活を楽しむことができるということを理解することが大切だ。
他の多くのことと同様に、白黒をはっきりつけないアプローチを取ることで、より良い睡眠を得られるだけでなく、睡眠が十分でないときでも良い気分を保つことができる。
出典：BBC
より良い睡眠を得るための考え方
ぐっすり眠れるための心理
ライフスタイル 不眠症
良質な睡眠をとると、翌日気分が良くなることは周知の事実である。私たちは皆、一晩の殆どを眠れずに過ごし、だるく不機嫌な朝を迎えたという経験があることだろう。しかし、専門家は今、翌日のリフレッシュ感は睡眠の質や量だけで決まるわけではないと考え始めているそう。なんと、睡眠に対する考え方も影響している可能性があるというのだ。
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