K-POPのダークサイド - K-POPスターは「完璧」を体現しているように見える。彼らは、常に完璧に整えられたルックスとまぶしい笑顔を維持している。彼らは何百万ドルも稼ぎ、熱狂的なファンを持っている。しかし、その魅力は表面的なものにすぎない。

レコード会社は、成功のために厳密なアーティスト管理を行っており、極端な例では、このことがスター達の精神的・肉体的健康に深刻な害を及ぼしている。近年、自殺、薬物、拒食症に関するスキャンダルが数多く表面化しており、このシステムに問題があることは明らかだ。

このギャラリーでは、K-POPのダークサイドについてもっと知ってほしい。

© Getty Images

若い時から始める -

スター候補生は若いうちにダンスクラスや競技会から引き抜かれ、そのまま厳しいトレーニングプログラムに入れられる。彼らは家族と離れ、訓練生仲間と一緒に暮らす。

© Getty Images 

自由の制限 -

ポップ・クレヨンというグループのウェイは、研修生時代は家族とほとんど会えなかったと報告している。研修生は携帯電話をレコード会社に渡すことが義務づけられていた。

© Getty Images

「奴隷契約」 - 彼らがレーベルと契約する場合、10年以上の長期契約になることもある。このような契約はしばしば「奴隷契約」と呼ばれるが、それは将来のスターにほとんど自由や金銭的利益を与えないからである。

© Getty Images

金銭的管理 -

宿泊費、旅費、衣装代、美容費、トレーニング費など、すべての費用をレコード会社が負担しており、スターはレコード会社に恩義を感じている。彼らの収入はこれらの経費をカバーすることになっているが、もし十分な収入がなければ、超過分を会社に支払う義務がある。ポップ・クレヨンのウェイは、生きるためにピアノなどの財産を売らなければならなかったと語った。

© Getty Images 

厳しい訓練 -

トレーニングのスケジュールは、消耗が激しく、容赦がない。朝5時半に登校してダンスの練習をし、その後は歌、歩き方、モデル、英語のレッスンを受ける。過労で気絶するのはよくあることらしい。

© Getty Images

厳しい訓練 -

いつかポップスターになりたいと願う子供たちでさえ、厳しい練習をこなしている。この写真は、ソウルでダンスクラスに参加する9歳のK-POPスターを夢見るキム・シユン。彼女は毎日、朝7時半に起きてクラスに行き、その後、ボイストレーニング、ダンスクラスと続き、1日の終わりには追加の個人指導を受け、真夜中にベッドに入る。

© Reuters

厳しい訓練 -

ポップクレヨンのメンバーは、ダンスの練習中、4kgの重りを足に装着させられたという。そうすれば、ステージで踊っているときの動きが軽く見えるからだ。

© Getty Images

美の基準 -

K-POPの練習生は、厳しい食事制限と運動習慣に従うことが求められる。これはトレーナーによって厳重に管理されており、彼らの成功には欠かせない。K-POPブートキャンプに参加したある女性の報告によると、「太りすぎ」の練習生は、食事が抜かれ、水しかもらえないこともあるという。

© Getty Images

美の基準 -

もし候補生に欠けていると思われる特徴があれば、かなりの確率でそれを修正する整形手術が施される。男性スターも女性スターも、理想的な水準に達するために当然のように大規模な手術を受ける。

© Getty Images 

美の基準 -

整形手術は一般的で、公然と語られている。多くのスターが整形前後の写真を嬉々としてネットにアップしているほどだ。

© Getty Images 

摂食障害 -

多くのレコード会社が毎日体重を測定し、食事制限を課すなど、ボディ・イメージへの強いこだわりが、多くのK-POPスターに摂食障害をもたらしている。

© Shutterstock

摂食障害 -

Oh My Girlのジネは、拒食症から回復するために2017年に活動を休止した。彼女はデビュー当時からこの病気と闘っており、集中的な治療が必要となったため、ついにグループを離脱せざるを得なくなったと報道された。彼女は21歳だった。

© Getty Images 

摂食障害 -

B.A.P.のヒムチャンも長年摂食障害に苦しんできた。彼は2017年、栄養失調と急激な体重減少による肋骨骨折で病院に運ばれたと伝えられている。

© Getty Images 

摂食障害 - K-POPの世界では、摂食障害が確認されたケースや疑われたケースは他にもたくさんある。メンタルヘルスの問題には汚名がつきまとうため、多くのスターがそれを口にすることはあまりない。また、彼らの完璧で健全なイメージを危険にさらすことにもなる。

© Getty Images

交際の制限 -

K-POPグループのメンバーは通常、契約期間中に交際することは許されていない。レコード会社は、シングルであることがファンにとってより魅力的に映り、その結果、より熱心で有利なファン層を獲得できると考えられている。契約書の中には、交際を禁止する条項が明記されているものさえある。

© Reuters

交際の制限 -

好きなグループのメンバーが交際を公にすると、ファンはしばしば激怒する。ファンは彼らを仮想の彼氏や彼女のように考える傾向があり、これを裏切りとして受け取る。例えば、2020年1月に結婚を発表したエクソのチェンのファンは、彼に反感を抱いたほどだ。

© Getty Images 

交際の制限 -

エクソの公式ファンクラブは、彼の身勝手な行動がグループの評判を落としているとして、彼をグループから外してほしいと声明を出した。レコード会社が行動を起こさなければ、彼らは抗議すると主張した。

© Getty Images 

交際の制限 -

K-POPグループは通常、このような問題を避けるために全員男性か全員女性となっている。理屈の上では、ファンはグループのメンバー同士の交際を疑うことはない。ゲイであることを公言する人がほとんどいないこの業界では、これは効果的なのだ。

© Getty Images

LGBTQに関する制限 - LGBTQスターに対する制限はさらに抑圧的だ。彼らは、個人の「ブランド」、ひいてはその価値に影響を与えるため、公にカミングアウトしないよう強く勧められている。これまでK-POPスターでゲイであることをカミングアウトしたのは1人だけで、しかも論争がなかったわけではない。

© Getty Images

LGBTQに関する制限 -

歌手ホランドは、レコード会社の意向に反して、ゲイを公表した初のK-POPスターとしてデビューした。2018年、同性カップルを描いた楽曲「Neverland」のミュージックビデオを公開。キスシーンがあるため、このビデオは韓国で19歳以上の視聴者レーティングが必要だと忠告された。

© Getty Images 

LGBTQに関する制限 -

グループ内の同性関係を妄想して楽しむファンは多い。女性ファンの一部は、お気に入りのボーイズグループのメンバーについてロマンチックなファン・フィクションを書いているほどだ。グループは人前で親しくし、お互いに好きになりそうに見せて、決して一線を越えてはいけない。ファンタジーのままでなければ受け入れられないのだ。

© Reuters

有害なファンの行動 -

ファンの独占的な態度は、ビジネスの原動力となるため奨励されるが、しばしばポップスターの人生に悪影響を及ぼす。

© Getty Images 

有害なファンの行動 -

Blackpinkのリサがバンコクのカフェで写真撮影をしたとき、オーナーは彼女が触ったカトラリーや便座をすべて売ろうとしたという。

© Getty Images 

有害なファンの行動 -

多くの女性K-POPスターが、ファンにより不用意に苦しめられている。彼女たちには厳しく健全なイメージが作られている。彼女たちはセクシーであると同時に、世間知らずで未熟であるように見える。スターがこの型を破ると、彼女たちはネット上で攻撃され、多くの場合、匿名の男性ユーザーによって攻撃される。近年、自ら命を絶った複数の女性がそうだった。

© Getty Images

K-POPスターの死 -

f(x)の元メンバー、スルリはK-POPの常識に反していた。つまり、彼氏との関係を隠さず、時にはブラジャーもつけていなかった。彼女は2019年、有毒なファン層からの深刻なネットいじめを受け、自殺した。彼女は11歳でキャリアをスタートさせ、25歳で亡くなった。

© Getty Images

K-POPスターの死 -

ガールズグループKARAの歌手ク・ハラも、2019年に、スルリの死から6週間後に自殺した。2人は友人であり、2人ともソーシャルメディア上で正直であったために悪質なオンラインいじめを受けた。さらにひどいのは、ク・ハラの死が、元カレが彼女の同意なしに撮影した私的な動画を公開すると脅したことに端を発していることだ。

© Getty Images

K-POPスターの死 -

ソーシャルメディア上では女性がより悪質な攻撃を受けるが、業界のプレッシャーは誰にでも影響を与える。SHINeeのキム・ジョンヒョンは2017年に自ら命を絶った。彼の遺書は友人によって公開された。彼は鬱に飲み込まれたことを語り、読者にこう懇願していた：「僕はよくやったと言ってください」。

© Getty Images 

韓国のメンタルヘルス問題 -

残念なことに、韓国では精神疾患を取り巻く偏見がいまだに根強く、スターたちは精神疾患について発言することを躊躇している。韓国は先進国で最も自殺率が高い国のひとつだが、抗うつ薬の使用率は最も低い。これは、助けを得ることがいかに難しいかを示している。

出典: BBC, Insider, 

© Shutterstock