絶滅の危機から生還した動物たち -

毎年、多くの動物や植物が絶滅の危機に瀕しています。なんと過去10年間だけでも160種以上が姿を消しています。世界自然保護基金（WWF）によると、現在私たちが目にしている動物や植物種の急激な減少は、自然な絶滅の1,000倍から10,000倍の速度だと推定されています。しかし、献身的な自然保護活動家たちが絶滅の危機に瀕している動物を危機から救ったという成功例もあります。

どんな動物の個体数が増えたかを知りたい方は、このギャラリーをクリックしてみましょう。

© Shutterstock

絶滅とは？ -

生物学において絶滅とは、ある種や他の生物群が存在しなくなる過程のことを言います。これは長い時間をかけて自然に起こることもあれば、環境の変化、生息地の喪失、捕食、人間の活動などの要因によって進行が加速することもあります。

© Shutterstock

局地的な絶滅とは？ -

局地的な絶滅とは、ある種や個体群が特定の地理的領域から姿を消したものの、世界の他の場所ではまだ存在している状態を指します。その一例が英国のアカトビです。

© Shutterstock

アラビアオリックス -

シロオリックスとしても知られるアラビアオリックスは、乱獲により1970年代に野生絶滅種に分類されました。

© Getty Images

アラビアオリックス -

飼育下で繁殖させ、野生に戻すという保護活動によって、アラビアオリックスの個体数は増えました。現在、野生では1,200頭、飼育下では6,000～7,000頭が生息しています。

© Getty Images

ブルーイグアナ -

ブルーイグアナはケイマン諸島にしか生息していません。この種は、開発、人間による撹乱、道路交通量の増加、外来動物によって絶滅の危機に瀕していました。2002年には15匹ほどしか生き残っていませんでした。

© Shutterstock

ブルーイグアナ -

自然保護活動家のフレッド・バートンは、繁殖プログラムを通じてこの動物の保護に生涯を捧げました。2018年、1,000匹目のブルーイグアナが野生に放たれ、専門家たちは現在、この野生動物の保護に力を注いでいます。

© Shutterstock

ヒメハナナガコウモリ -

生息地の喪失と、狂犬病を媒介する吸血コウモリを対象とした駆除計画の影響で、ヒメハナナガコウモリは1998年に絶滅危惧種に指定されました。

© Shutterstock

ヒメハナナガコウモリ -

米国とメキシコの両方でコウモリが生息する洞窟や鉱山が保護されたことで個体数が回復し、2018年にはヒメハナナガコウモリが米国の絶滅危惧種のレッドリストから除外されました。

© Shutterstock

ジャイアントパンダ -

ジャイアントパンダの野生個体数は1980年代に最少期を迎え、現在では約1,000頭しか生き残っていないと推定されています。この減少の原因は、生息地の破壊、密猟、繁殖率の低さです。

© Shutterstock

ジャイアントパンダ -

生息地の保護、繁殖プログラム、法的保護などの保全活動の結果、ジャイアントパンダの野生個体数は安定し、約1,850頭まで増加しました。

© Shutterstock

モーリシャスホンセイインコ -

モーリシャス共和国に生息するモーリシャスホンセイインコの減少の原因は、餌と生息地の喪失と野良猫でした。17世紀後半から減少の一途をたどっていたその個体数は、1980年代には20頭ほどに激減しました。

© Shutterstock

モーリシャスホンセイインコ -

幸いなことに、モーリシャス野生生物財団がさまざまな保護プロジェクトを立ち上げ、ブラックリバー渓谷国立公園を開園したことで、現在ではこの地には700匹ほどが生息しています。2019年、この種のステータスは「絶滅危惧種」から「危急種」に格下げされました。

© Shutterstock

アカハラワカバインコ -

2017年、この種が野生に残ったのはメスのアカハラワカバインコの3羽のみでした。しかし、2020年の冬には118羽以上が北へ飛んでいたことが記録されています。アカハラワカバインコの個体数が100羽を超えたのは、ここ10年ほどでは初めてのことでした。

© Getty Images

アメリカバイソン -

かつては約6,000万頭のアメリカバイソンが北アメリカ大陸を放浪していましたが、19世紀末には野生のこの種は600頭を下回りました。アメリカバイソンは開拓者たちによってほぼ絶滅寸前まで狩られ、米国先住民にとって生存のための重要な食糧源が奪われました。

© Shutterstock

アメリカバイソン -

現在、野生のアメリカバイソンは約50万頭います。この種の生存を確実にするために、2016年のバイソン遺産法を含む数多くの保護措置が取られています。

© Getty Images

ヨーロッパバイソン -

狩猟と森林破壊により、ヨーロッパバイソンは19世紀までに野生では絶滅の危機に瀕しました。

© Shutterstock

ヨーロッパバイソン -

幸いなことに、飼育されているヨーロッパバイソンが何頭かいて、54頭から新しい群れが生まれ、野生に戻されました。

© Shutterstock

ハイイロオオカミ -

人間が何世代にもわたってハイイロオオカミを絶滅寸前まで追い込んでいましたが、自然保護活動家たちは個体数を安定させるために懸命に闘ってきました。現在、世界には20万匹から25万匹が生息しています。

© Shutterstock

アメリカマナティー -

ボートの衝突や生息地の減少が原因で、1973年にアメリカマナティーは絶滅危惧種に指定されました。

© Shutterstock

アメリカマナティー -

合衆国魚類野生生物局は2017年、アメリカマナティーを準絶滅危惧種に再分類しました。現在、個体数は約13,000匹と推定されています。

© Shutterstock

ラッコ -

ラッコは毛皮を取るために200年間捕獲され続けたため、1911年にはわずか2,000頭しか残っていませんでした。しかし、献身的な長年の保護活動により、世界の生息個体数は約10万頭まで増加しました。

© Shutterstock

ヨーロッパビーバー -

ヨーロッパビーバーは16世紀に英国で絶滅寸前になるまで狩られました。自然保護活動家たちは何十年もかけて野生での復活を求めて闘い、2021年エイヴォン川で3世代のヨーロッパビーバ一の家族が目撃され、400年ぶりにビーバーの自然界への定着が確認されました。

© Shutterstock

アメリカアリゲーター -

アメリカアリゲーターは乱獲と生息地の減少により、かつては絶滅の危機に瀕していました。1967年に絶滅危惧種に指定されました。しかし、強力な保護活動、法的保護、生息地の回復のおかげでその個体数は回復し、現在では低危険種のステータスとなっています。

© Shutterstock

アカトビ -

人間による迫害により、アカトビは1879年までにイングランドとスコットランドで絶滅しました。ウェールズに残った個体数はわずかで、保護活動が本格化しました。

© Getty Images

アカトビ -

過去30年間で、アカトビはチルターン、イースト・ミッドランズ、ヨークシャー、イングランド北東部で自然に返す作業が続けられました。今では英国で最も急速に増加している動物種のひとつです。

© Getty Images

シジュウカラガン -

1950年代までには、生息地の喪失、狩猟、キツネなどの外来種による捕食のため、シジュウカラガンの個体数はわずか数十羽にまで減少しました。保護活動によって個体数は回復し、シジュウカラガンは現在、低危険種に分類されています。

© Shutterstock

アオコンゴウインコ -

2000年代初頭、生息地の減少、違法な捕獲や取引により、アオコンゴウインコは野生では絶滅したと考えられていました。しかし、保護活動が大きく前進したことで、少数のアオコンゴウインコが自然の生息地に野生として復帰しました。

© Shutterstock

タカネキマダラセセリ -

1970年代から1980年代にかけて、タカネキマダラセセリは英国では絶滅したと考えられていました。生息地の管理や野生復帰プログラムなどの保護活動により、この種は目覚ましい回復を遂げました。

© Shutterstock

タカネキマダラセセリ -

タカネキマダラセセリは、英国ではもはや絶滅危惧種とは見なされていません。しかし、依然として保護上の懸念がある種です。

© Shutterstock

カッショクペリカン -

20世紀半ばの米国では、殺虫剤DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の広範な使用により、カッショクペリカンの個体数が劇的に減少しました。DDTは1970年代に禁止され、生息地の保護や絶滅危惧種法に基づく法的保護を含む大規模な保護活動により、カッショクペリカンの個体数は回復しました。

出典: (CNN) (BBC) (Reader's Digest)

© Shutterstock