特定の疾患に対する脆弱性を高める遺伝子変異 -

遺伝子の中には両親から受け継ぐものもあり、全く問題ない遺伝子がほとんどであるが、時には異常のある遺伝子も受け継がれる。このような変異遺伝子は特定の疾患に対して脆弱性を高めることがあり、中には非常に深刻な場合もある。

このギャラリーでは、特定の疾患の原因となり得る遺伝子変異について見ていく。クリックして、遺伝性疾患について理解していこう。

© Shutterstock

BRCA遺伝子変異 -

BRCA（乳がん遺伝子1および2）遺伝子変異を受け継いだ人は、乳がんや卵巣がんを発症する可能性が高くなる。

© Shutterstock

BRCA遺伝子変異 -

BRCA1またはBRCA2の変異を受け継いだ女性の約70パーセントが乳がんを発症するのに対し、受け継いでいない場合に乳がんを発症する確率は12パーセントとなる。

© Shutterstock

BRCA遺伝子変異 -

これらの変異は乳がんに最も多く見られるが、男性の前立腺がん、膵臓がん、卵管がん、急性骨髄性白血病、腹膜がんなど、他の種類のがんを発症するリスクを高めることもある。

© Shutterstock

嚢胞性線維症 -

嚢胞性線維症（CT）は、基本的に粘液が貯留することで引き起こされる。特に肺に影響が現れ、呼吸困難や細菌感染のリスクが高まる。さらに、膵臓からの消化酵素の分泌も妨げられる。治療法は進歩しているが、嚢胞性線維症は依然として命にかかわる疾患であり、平均余命は40歳である。

© Shutterstock

嚢胞性線維症 -

この病気の発症には、両親がともに欠陥遺伝子を持っていることが関与している。この遺伝子は嚢胞性線維症膜貫通伝導制御因子（CFTR）と呼ばれる。

© Shutterstock

嚢胞性線維症 -

両親がこの遺伝子を持っているかを調べる検査は可能だが、嚢胞性線維症の原因となる突然変異は約1,700種類あり、検査で検出されるのは一般的なものだけである。

© Shutterstock

心臓疾患 -

心臓疾患の予防には、食事やライフスタイルが大きく関わっているが、遺伝的要因が関与していることもある。例えば、遺伝性のサルコメアタンパク質遺伝子変異は、さまざまな疾患の原因となる。

© Shutterstock

心臓疾患 -

これらの疾患には、肥大型心筋症や不整脈原性右室心筋症（ARVC）などが含まれる。この遺伝子変異は心臓のリズムに影響を与えることで、心臓発作を含む多くの合併症を引き起こすことがある。

© Shutterstock

軟骨無形成症 -

軟骨無形成症は、軟骨や骨の形成に影響を与える疾患群である。軟骨無形成症による先天性欠損症は非常に深刻で、ほとんどの乳児は出生前または出生直後に死亡する。

© Shutterstock

軟骨無形成症 -

この症状は、TRIP11、SLC26A2、COL2A1 という遺伝子の突然変異によって引き起こされる。これらの遺伝子は両親から子供へと受け継がれる。

© Shutterstock

ハンチントン病 -

ハンチントン病（HD）は神経細胞の劣化を引き起こす。この神経変性疾患は、運動機能、精神、言語など、身体のさまざまな部位にさまざまな影響を及ぼす。

© Shutterstock

ハンチントン病 -

一方の親が変異遺伝子を持つ場合、その子供がハンチントン病を発症する確率は50パーセントである。このため、家族内で複数がハンチントン病を発症することは珍しくない。ハンチントン病には治療法がない。

© Shutterstock

鎌状赤血球症 -

鎌状赤血球症は、主にアフリカ系およびカリブ系の人々に影響を与える遺伝性の血液疾患である。最も一般的なものが鎌状赤血球貧血症で、酸素を運搬するヘモグロビンの異常な形成が原因である。

© Shutterstock

鎌状赤血球症 -

症状には、慢性的な痛み、貧血、感染症、視力低下、臓器損傷などがある。米国を含む一部の国では、新生児に対して出生時に鎌状赤血球症の検査が行われる。

© Shutterstock

筋ジストロフィー -

筋ジストロフィーとは、進行性の筋肉の衰えを引き起こす一連の症状の総称である。偶発突然変異が原因となることもあるが、ほとんどの場合は欠陥遺伝子を受け継ぐことで引き起こされる。

© Shutterstock

筋ジストロフィー -

ジストロフィンと呼ばれるタンパク質の生成に関与するDMD遺伝子は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーと関連している。デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーは、筋ジストロフィーの中でも最も一般的な症状である。

© Shutterstock

ヘモクロマトーシス -

ヘモクロマトーシスは、血液中に過剰な鉄が蓄積する代謝異常である。基本的には鉄過剰、つまり貧血と逆の状態である。これは両親から子供へと遺伝する。

© Shutterstock

ヘモクロマトーシス -

症状には、疲労感、記憶障害、性欲減退、腹痛、動悸などがある。遺伝子HFEの変異C282YとH63Dが、この症状の原因である。

© Shutterstock

アルコール依存症 -

アルコール依存症には多くの原因があるが、遺伝も一因となり得る。「アルコール依存症遺伝子」は存在しないが、一部の遺伝子がアルコール依存になるリスクを高めることがある。アルコール代謝に関連するADH1BやALDH2などの遺伝子はその一例である。

© Shutterstock

アルコール依存症 -

米国依存症治療センターによると、「アルコール使用障害の家族歴がある場合、アルコール使用障害を発症する遺伝的素因のリスクが高まることがあり、親から子への遺伝のリスクはさらに高まる」とのことだ。

© Shutterstock

アルコール依存症 -

アルコール依存症は、セロトニンレベルが低く、扁桃体が小さい人にも多く見られるようだ。

© Shutterstock

血友病 -

この疾患は、血液凝固に必要なタンパク質の欠乏によって現れる。つまり、出血が、血友病でない人の場合よりもずっと長く続く。小さな怪我であれば対処できるが、内出血の場合は命にかかわることもある。

© Shutterstock

血友病 -

この疾患は、X染色体上の欠陥遺伝子が原因で引き起こされる。そのため、血友病の患者の大半は男性である。女性はX染色体が2本あるため、片方に欠陥遺伝子があっても「バックアップ遺伝子」がある。しかし、男性はX染色体が1本しかない。

© Shutterstock

テイ・サックス病 -

テイ・サックス病は、脂肪酸が蓄積して脳や脊髄の神経細胞が損傷する病気である。この疾患は、ベータヘキソサミニダーゼと呼ばれる酵素の生成に重要な役割を果たすHEXA遺伝子の突然変異によって引き起こされる。

© Shutterstock

テイ・サックス病 -

テイ・サックス病は主に生後3～6ヶ月の乳児に発症する。この遺伝子変異は主にアシュケナージ系ユダヤ人に多く見られるが、フランス系カナダ人やケージャン系の人々にも見られる。

© Shutterstock

レッシュ・ナイハン症候群 -

レッシュ・ナイハン症候群（LNS）は、主に男児に影響を与える遺伝性の代謝障害である。筋肉のコントロール不良や精神障害など、さまざまな問題を引き起こす。自傷行為や制御不能な動きによって引き起こされる負傷も症状のひとつである。LNSは「若年性痛風」とも呼ばれる。

© Shutterstock

レッシュ・ナイハン症候群 -

LNSは、X染色体上のヒポキサンチン・グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ（HPRT1）と呼ばれる酵素の欠乏により引き起こされる。HPRT1遺伝子変異は受け継がれる。

© Shutterstock

遺伝性大腸がん -

遺伝する大腸がんには2つのタイプがある。遺伝性非ポリポーシス大腸がん（HNPCC）と家族性大腸腺腫症（FAP）である。

© Shutterstock

遺伝性大腸がん -

いずれも常染色体優性（顕性）遺伝性疾患である。つまり、片方の親が変異遺伝子を持っている場合、子供がその遺伝子を継承する確率は50パーセントである。

出典：(Ranker) (American Addiction Centers) (Mayo Clinic) (Cancer.gov)

© Shutterstock