10年前ならダサい靴の人気は奇抜な印象を与えたり、一時の流行に過ぎなかったかもしれない。ところがこのトレンドはどんどん勢いを増しファッションの定番になりつつある。あらゆる状況に応じたダサい靴があり、デザイナーが古いデザインに斬新なひねりを加えることでまた新しいトレンドが生まれつつある。
履き心地がよく機能的なものが多いダサい靴の人気はソーシャルメディアとノームコアの不動の人気に支えられている。クロックスとダッドスニーカーを手に、ダサい靴の流行が終わらない理由を探ろう!
ダサい靴の役割は時代とともに進化してきた。機能的なものから大胆なおしゃれの表現へと、ダサい靴はファッション界に予想外の影響を及ぼしてきた。
ダサい靴の人気は履き心地の良さや実用性を追求し、ファッションにおける従来の美の基準に異議を唱えたことに由来する。
機能的すぎてダサいと見向きもされなかった靴を履くということで個性を表現し、周りと差をつける。
InstagramやTikTokのようなソーシャルメディアアプリの影響は無視できない。従来の美の基準から外れ、型にはまらないおしゃれを貫くことを恐れないインフルエンサーたちこそが多くのフォロワーを獲得しているのだ。
こうしたインフルエンサーたちは自分たちのページでユニークなファッションを披露し、他の人たちに刺激を与えることでダサい靴の流行を広めることに一役買っている。
ソーシャルメディアはファッションの民主化の鍵を握っている。かつてファッションはおしゃれとされるものを支配する少数のデザイナー、編集者、小売業者によって大きく左右されていた。
ソーシャルメディアによって普通の人々が自分のファッションセンスや 独創性を表現する場が与えられた。それはファッションのヒエラルキーを崩壊させダサい靴のような流行を生み出した。
ファッション界のヒエラルキーに対する反発の中で「アグリーシック」や「アンチファッション」という考え方が広まっている。
これはまた従来の美しさや魅力的とされるものに対する挑戦や反発が起きており、それらから脱却する大きな流れの一部とみなすこともできる。
従来の常識では不格好、あるいは流行遅れとされる靴を履くことで流行に逆らい個性を表現することができるのだ。
小売業者やデザイナーもこれに気づいた。ソーシャルメディアの人気にあわせて彼らはさまざまなダサい靴を用意した。
このような反応のおかげで人々は今まで以上に簡単にファッションとして取り入れ、異なるコーディネートを試すことができるようになった。
社会的基準に沿った美しく洗練されたエレガントなデザインではなく、ダサい靴が現状に新たな風を吹き込んでいるのだ。
ダサい靴はファッションで冒険し、もっと遊び心を持ち、真面目くささを取り払うことを可能にする。
自己主張をしファッションの選択として冒険することを可能にするだけでなく、ダサい靴はこれまでのおしゃれ靴とは比べものにならないほどの履き心地の良さをもたらす。
大抵のダサい靴は機能性を重視してデザインされており、チャンキーソール、幅広、丈夫な素材など日常使いにぴったりのものが多い。
ダサい靴を履くことは格好良さよりも履き心地を優先している証拠だ。ダサい靴はファッションよりも快適さを求める人に安らぎを与えてくれる。
型破りでブサイクな靴は、ファッションは見た目の良さだけを追求するべきだという考え方に反旗を翻し、履く人に開放感を与える。
チャンキーソール、突飛な形、大胆な色は多くの人のワードローブの定番となり、ファッション界がそれに追いつかなければならなくなった。
かつては見向きもされなかった靴のデザインも、デザイナーたちが独自のスタイルを打ち出したおかげで今では高級品となっている。
クリストファー・ケインは2017年春コレクションでクロックスを履いたモデルをランウェイに送り出し話題を呼んだ。「農耕的、田園的、手作り的なものと、すっきりと洗練された都会的なものとの対比で服飾文化の明らかな衝突をコレクションで表現した」と彼は説明した。
ダサい靴の多くは持続可能性を念頭に置いてデザインされており、環境への影響をより好ましいものにしている。
リサイクルされたゴムやプラスチックなどの素材がこうした靴の材料として使われることが多くなっている。このような素材は丈夫で長持ちする。
より多くの人々がこのような靴を購入し履くようになるにつれて、中古品への需要も高まっている。これにより廃棄物が減り、靴の寿命が延びる。
厚手でずっしりとしたホカは履き心地がよく、走る能力を向上させるために作られた。その後LA、ニューヨーク、マイアミのおしゃれな人たちに愛用されるようになった。
長く愛用でき頼りになるビルケンシュトックは、近年人気が再燃している。夏の定番で何度でも繰り返し履ける。
テバは90年代に生まれたサンダルだ。90年代のノスタルジーとダサい靴の人気が相まって、最近になって人気が復活したのだろう。
オーストラリアのサーフィン界で人気を博し、やがて世界的なブームとなったUGGブーツの履き心地を否定する者はいない。
おしゃれで耐久性に優れ、しかもサステイナブルなドクターマーチンはまさに投資であり、かつては「一生もの」として保証を付けていたこともある。現在その保証は付けていないが、高品質で紛れもないダサい靴としての魅力は尽きることがない。
ダサい靴のリストはこれなしでは完成しない。おそらく現時点では最もダサい靴であるクロックスはファッションを180度ひっくり返し、近年ではクールな靴へと変貌を遂げた。
提供元:(CNN Business) (Vogue) (Harper's Bazaar) (Byrdie) (Refinery29) (LinkedIn)
なぜダサい靴が人気なのか?
いつまでも終わらない流行
ファッション 靴
10年前ならダサい靴の人気は奇抜な印象を与えたり、一時の流行に過ぎなかったかもしれない。ところがこのトレンドはどんどん勢いを増しファッションの定番になりつつある。あらゆる状況に応じたダサい靴があり、デザイナーが古いデザインに斬新なひねりを加えることでまた新しいトレンドが生まれつつある。
履き心地がよく機能的なものが多いダサい靴の人気はソーシャルメディアとノームコアの不動の人気に支えられている。クロックスとダッドスニーカーを手に、ダサい靴の流行が終わらない理由を探ろう!